中隊長になってからはBランクの魔物を中心に戦うことが多くなっていた。最近では弱い魔物も討伐され、残るのは中級以上の魔物ばかりだ。「アド…じゃなかったエルヴィール中隊長。今日の魔物討伐はサラマンダーとの事です。」「サディ。わかった。それと言いづらいならエルでいい。」サディは中隊長になってから配属されてきた1人だ。副隊長は相変わらずルエルが行ってくれている。「は、はい!エル中隊長。失礼します!」それだけ言うと走り去っていく。向こうで「中隊長と話しちゃったぁ」「ずるーい」みたいな声が聞こえてきたけど…少し複雑な心境だ。女の子っぽい雰囲気だが、声音がすべて野太いのだ。女と明かした時は、皆に軽蔑されるかとも思ったが、そんなことは無く…「女であれだけつえーの?逆にかっこよすぎるわ!」「何となくわかってました。女だろうが男だろうが関係ねぇ。隊長は隊長っす。」野次が飛ぶことはなく、ただ尊敬の眼差しで見られた時には吃驚したものだ…。まぁ、その根本にはラウルとマウロの兄弟ということもあるらしいが。あの二人は一体何をやったのか…聞いても皆顔を逸らすので分からない…が何となく他の人ではできない何かをやったんだろうなとは思う。朝食を食べ終え準備を開始する。今回の魔物はサラマンダーという事で、初Aランクの魔物だ。「ルエル。サラマンダーは火を吹くでかいトカゲだよな。皮とかは硬いのか?」「そうですね。でかいトカゲではありますね。皮とかはそんなに固くないと思います。」皮はそんなに固くないという事であれば、火に気をつけていれば何とかなりそうな感じがするな。「固くは無いですが、火を噴くくらいですから体は高温ですよ。だから素手で行けるだろうと思っているなら考えを改めた方がいいかと…」打撃で闘う方が楽なのに残念だ。取り敢えず強さが分からないが&
Terakhir Diperbarui : 2025-04-04 Baca selengkapnya