やっと此処まで辿り着いたここで私の魂は安らかに眠れるかしら?魂の安住を求めて歩いて歩いて、時には走って。疲れ果てたけれど漸く⋯⋯漸く。国の最端に位置するこの領内の此処は《《その》》志願者が後を絶たないと聞いていた。ティアナはそろそろとそこへ近づく、下をそっと除くと波飛沫が岸壁に襲いかかっている様に見えた。これなら《《死ねる》》きっと大丈夫。目を閉じ《《そこへ》》飛び込んだ。迷いは一切なかった。だってこれが《《あの人》》の願いだもの。|一時《いっとき》でもティアナを愛してくれたあの人の願い。叶えてあげなければ⋯⋯。頭の天辺に冷たさを感じた気がした時、ザブンという音と共にティアナは意識を失いそして真っ暗になった。☆★☆~生い立ち1~──────────────ティアナは侯爵家の庶子として誕生した。彼女の母はリサリディ・マリソーマリソー侯爵家の女侯爵だ。マリソー侯爵家にはリサリディしか生まれず、彼女は子供の頃から侯爵家の後を継ぐ事が決まっており、厳しい教育を余儀なくされていた。婿養子の候補は3人いた。マリソー家はターニア王国の長く歴史のある忠臣の家であるから王家の覚えもめでたい。リサリディに婿入りしたい者は我先にと釣書を送った。その中から両親は厳選して3名を選んだ。幼い頃より交流を持つと良くないと判断した両親は顔合わせの時期を学園に入学する15歳と定めた。何故なら両親も幼馴染でお互いを兄妹のように接していた為、閨に至るまでに実に5年を要したからだ。当然父親の方には性処理をする為に愛人がいた、しかし父は愛人に子供を作る愚行は侵さなかった。今となっては作っておけば良かったと思ってはいるが後の祭り。まさかリサリディができた後に、自分が病に侵されその後遺症で子種が無くなるなどと思いも依らなかった。病のあとに何度閨を繰り返しても妻にも、そして愛人にも子供が出来なかったのだ。愛人に至ってはリサリディが出来るまで事後に避妊薬を飲ませ続けたからではないかと推察されたので、若い娘を新たに愛人に迎えたが其方にも出来なかった。いや一人出来たのだが産まれてみたら彼の子でないのは一目瞭然の赤毛で黒目の男の子で、愛人の護衛に雇っていた傭兵にそっくりであった。二人とも直ぐに叩き出したが⋯⋯。そういった経緯も有り子供はリサリディのみと
Last Updated : 2025-04-01 Read more