さすがプロ。ドレスとも合っているし、目はパッチリとしたけれど上品さは残したままだ。 鏡に映る自分を不思議な気分で見つめていると、宮田さんが後ろから近寄ってきているのに気づいた。 彼はなにも言わずに私を椅子から立たせて、自分と向かい合わせになるように正面から凝視する。 ドレス姿の私をじろじろと上から下まで見た後、私の顔に焦点を合わせた。「どうしよう。めちゃくちゃ可愛いよ!」 とびきり嬉しそうな顔をして、宮田さんが思い切り抱きついてきた。「わっ! 」 慌てた私が、咄嗟に驚きの声をあげる。 な、なにをするんですか! 仕切られたスペースだとは言え、美容院ですよ、ここは。「宮田くーん。せっかくのメイクと髪、崩さないでね。今ここでイチャイチャしないで、パーティが終わってからにしなよ」 気持ちはわかるけど、なんて言いながらマチコさんが呆れて笑っている。「うん。パーティ後にはいっぱいイチャつくよ。今キスしたらリップもグロスも落ちちゃうからね」 「え、宮田くんって意外と肉食なのね。まぁ、男は多少肉食じゃないとね。草食なんてダメダメ!」 ……なんという恐ろしい会話をしてるんですか! だけど……私を抱きしめる宮田さんの温もりがやさしくて、彼の上品なスーツから漂うフレグランスの香りに酔いそうになる。 その場を取り繕うように少し抵抗して見せるけれど、ドキドキとうるさい自分の心臓に、私自身が嫌でも自覚させられた。 ――― この人を、意識していると。「二人とも、また来てね」 「うん、ありがとう。またね」 マチコさんがタクシーを呼んでくれて、美容室を後にした。 だいたい、今日の宮田さんは反則だ。 いつもふざけた調子で、なにひとつ真剣なことを言ってる感じがしない人なのに。 今日ばかりは、どこを取っても普通の大人のイケメンだ。 普段とギャップが激しすぎる。 ……だからだ。私もドキドキしてしまったり、いつもと違ったりするのは。 タクシーの中、窓の外の流れる景色を見ながらそんなことを考えていると隣に座る宮田さんが私の手をふいに繋いだ。「朝日奈さんって綺麗な手をしてるよね。……そうだ、今度はブレスレッドやリングもデザインしてみようかな」 繋いだ手をまじまじと見つめながら、彼が穏やかな口調でそう言った。 ジュエリーのデ
ปรับปรุงล่าสุด : 2025-04-12 อ่านเพิ่มเติม