All Chapters of クールな副社長に一億円で愛されることになりました〜アップルパイに愛を込めて〜: Chapter 31 - Chapter 40

60 Chapters

第 31 話

【開発期間半年の集大成】「大翔さん? まだ起きてたの?」「ああ、なんか眠れなくてな」 ある日の真夜中の二時過ぎ、お水が飲みたくて起きたわたしだったが、リビングでは大翔さんがパソコンを開いていた。「大丈夫?大翔さん。 最近ちょっと忙しそうだけど……」 あれから無事に、スリーデイズが最初に開発したプリンが全国のコンビニやスーパーなどで販売された。 スリーデイズがスイーツ部門を立ち上げたということもあり、副社長である大翔さんには雑誌やテレビでのインタビューなど取材も入っていた。 取材に会食、会議や食材探しなど毎日に追われているせいか、大翔さんはここ最近とても忙しくしている。
last updateLast Updated : 2025-03-14
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第 32 話

「……いただきます」 アップルパイを一口口にすると、すぐにリンゴのシャキシャキ感とトロッとした滑らかな舌触りが口の中に広がった。「どう?リーダー?」 わたしはそれを一口食べて、思わず涙が溢れた。「えっ!天野川さん!? どうしたの!?」 片山さんがビックリしたような表情を浮かべていた。「……美味しいです。 すごく……美味しいです」 今まで食べたアップルパイの中で、ダントツに一番美味しい。「天野川さん……」「これは、本当に美味しいアップルパイです。……こんなに美味しいアップルパイ、食べたことないです。このアップルパイは、世界で一番美味しいアップルパイです」 こんなに美味しいアッ
last updateLast Updated : 2025-03-14
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第 33 話

大翔さんは「みんな、ついにスリーデイズの看板スイーツのアップルパイが、オガタ・カナデの店で販売される。 これはとても素晴らしいことだ」と話し始めた。「これはみんなの努力があったからこそ、実現出来たことだと思っている。みんなの努力がなければ、こんなに最高のスイーツを作ることが出来なかった。……ここまで頑張ってくれて、本当にありがとう」 わたしは大翔さんからの熱い言葉を聞いて、思わず涙が溢れてしまった。「みんなの努力で、これからスリーデイズのスイーツ部門は大きくなっていくと感じている。いずれは、スイーツの冷凍食品などの開発も視野に考えていければと思っている。……だからみんな、これからもスイー
last updateLast Updated : 2025-03-14
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第 34 話

「こんなのは太っ腹でも何でもない。スリーデイズのためなら、俺は予算なんて問わない。やりたいことなら全て後悔のないようにやってもらうだけだ。それでいいスイーツが出来るなら、俺は妥協はしない主義なんだ」「カッコイイねえ、大翔は。副社長の鏡だな」「大袈裟ですよ、尾形先輩」 本当に二人は仲がいいんだな。まるで共存しあってるみたいで、二人を見ていてなんだか微笑ましいし、まるで兄弟のようだ。「由紀乃さん、うちはこれからスリーデイズのスイーツをたくさん販売する契約をしてるから、これからもたくさん美味しいスイーツを販売するよ」「ありがとうございます。……とても心強いです」 あのオガタ・カナデとコラ
last updateLast Updated : 2025-03-14
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第 35 話

「何言ってるんだ。現実に決まってるだろ」「そう……だよね」 これが現実だと未だに思えないくらい、不思議な気持ちになる。「すみません、アップルパイを二つください」「かしこまりました」 ショーケースの中のアップルパイが少なくなる度に、アップルパイが次々とショーケースの中に補充されていく。 それを見てわたしは、涙が出てしまった。「由紀乃……泣くな」 大翔さんが頭を優しく撫でてくれる。「大翔さん……嬉しい。わたし、嬉しい……」「そうだな。嬉しいな」「アップルパイ……売れてるね」 目の前でアップルパイが売れていく姿を見て、わたしはこんなに嬉しいことないなと思った。「頑張って
last updateLast Updated : 2025-03-14
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第 36 話

「みんなハート型がかわいいって言ってくれてる」 とてもありがたい限りだ。 ここまで一生懸命頑張ってきた成果が、報われそうだ。「由紀乃のアイデアがたくさん詰まったアップルパイだもんな。 その成果が報われたと思っていいと思うけどな」「本当に……?」 「当たり前だ。由紀乃が諦めずに挫けることなく頑張ってきたおかげで、今日があるんだろ?」 わたしは大翔さんの言葉に「うん、そうだよね。諦めずにやって来た成果だよね、これは」と答えた。「そうだ。 やっぱり由紀乃をスリーデイズのリーダーにして良かった。どうやら、俺の見立ては間違ってなかったようだな」「大翔さん……」 大翔さんはわたしの頬に手
last updateLast Updated : 2025-03-14
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第 37 話

大翔さんは微笑ましい表情を浮かべると、「さすが俺の妻だな。 俺が選んだ妻は、やはり最高のスイーツを作ってくれそうだ」とわたしの頭を撫でる。「だってわたし、スリーデイズのリーダーだもん。リーダーだからこそ、とことん素材をいいものにこだわりたいって思ったの。……お客様が辛い時や苦しい時、悲しい時にも食べて笑顔になるような、そんなスイーツがもっともっと作りたい」 スリーデイズが手がけるスイーツは、世界一美味しいものだ。 誰にでも自慢出来るくらい、最高に美味しいスイーツを作れるとわかったから。「由紀乃がやりたいと思うことは、挑戦してみたらいいさ。 やらずに後悔するより、やってみて後悔する方が
last updateLast Updated : 2025-03-14
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第 38 話

【スイーツイベントへの出展】 「とりあえず、候補はこの三つですね」「そうねえ……」 キッチンカーへの出店に伴いまずは作るスイーツを決めていくのだが、スイーツの候補として上がったのはスイートポテト、パンケーキ、みたらし団子と全くジャンルの違うスイーツだ。 他のキッチンカーが出店するスイーツとは被ってはイケないので、決まり次第、オガタ・カナデさんに意見をもらうことになっているということだ。「パンケーキが一番作りやすそうですけど、おそらくどこかのキッチンカーでパンケーキは出店される可能性は充分高そうですよね」「そうなんだよね……。パンケーキは今もまだ人気で、カップルや若い子には人気
last updateLast Updated : 2025-03-15
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第 39 話

二ヶ月後の出店に向けて、わたしたちはスイーツ開発のための計画を立て始めたーーー。 * * * 「ただいま」「おかえりなさい、大翔さん。お仕事、お疲れ様でした」 その日の夜、帰宅した大翔さんを玄関で出迎えた。「ただいま。ありがとう、由紀乃」 ジャケットを脱ぎネクタイを緩めた大翔さんは、わたしに「アップルパイ、今日も見事に完売だそうだ。良かったな」と言ってくれた。「うん、良かった」 アップルパイは売れ行きが順調で、発売から一週間で千個以上売れている。本当にありがたい限りだ。「Instagramにもね、スリーデイズのアップルパイがたくさん上がってるんだよ」わたしは大翔さんにス
last updateLast Updated : 2025-03-15
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第 40 話

「ああ。応援してる」「ありがとう」 大翔さんがいれば、わたしはどんなことを乗り越えられそうな気がする。 大丈夫、わたしならきっとやれる。「……よし、頑張ろう」 気合を入れるんだ、私! 【スリーデイズの新しい革新パフェ】 イベントまで残り二週間を切った頃、わたしたちが考えたイベント用のスイーツも完成間近になっていた。 「はい。完成しました」「おお。見た目めっちゃいいですね」「ワクワクしそう」「かわいい!」 わたしたちが一生懸命考えたこのスイーツは、イベントには持ってこいのスイーツになった。「じゃあ、早速副社長に試食してもらいに行きましょう」「そうですね
last updateLast Updated : 2025-03-15
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