メリッサちゃんの二歳の誕生日。私は大きなクマのぬいぐるみを抱えて、レイさん夫妻の家を訪ねた。今日は朝から明るい太陽に恵まれて、ほんのちょっと暑いくらい。絶好のガーデンパーティー日和だ。門の外からチャイムを押すと、今日の主役が玄関のドアを開けて出迎えてくれた。「Hi! Haduki mom!」水色のワンピースで着飾ったメリッサちゃんが、転がるように駆けてきて、自ら門を開けてくれた。彼女は私を、『葉月ママ』と呼んでくれる。「Happy Birthday! Melissa」笑顔でお祝いを言ってプレゼントを渡すと、彼女はぬいぐるみの大きさに「Wow!」と目を見開いた。すぐに嬉しそうに顔を綻ばせ、「Welcome to my birthday party! Where is Hayato dad?」私の隣に颯斗がいないのを気にして、きょろきょろと辺りを見回している。私はクスッと笑ってしゃがみ込み、彼女の肩をポンと叩いた。「彼はお仕事でちょっと遅れるけど、ちゃんとメリッサのお祝いに来るから、大丈夫」そう説明した時、家の中からメグさんが出てきた。「ハヅキ、いらっしゃい! メリッサの誕生日パーティーに来てくれて、ありがとう」メリッサちゃんに目線を合わせるために屈んでいた私は、ゆっくりと背を起こした。「お招きありがとうございます、メグさん」彼女はふわっと微笑み、メリッサちゃんが抱えているぬいぐるみを見て、まったく同じ反応をする。「わあ、大きい……! いつもありがとう、ハヅキ。メリッサ、ちゃんと葉月ママにお礼は言った?」メグさんにそう言われて、メリッサちゃんはハッとしたように瞬きをする。「Thank you, Haduki mom!」慌てた様子でそう言うと、「Daddy!」屋内にいるレイさんを捜して、またしても転がるように走っていった。小さな背中を見送って、私たちは顔を見合わせてクスクス笑った。「お誕生日、おめでとうございます。ほんと、いつも元気で可愛い。メリッサちゃん」私の言葉に、メグさんはやや苦笑いで肩を竦めた。「元気すぎるのが、玉にキズ。この間も階段から転がって、額にたん瘤作ったのよ」「えっ! 大丈夫?」とっさに心配した私に、「見ての通り」と笑う。「ハヤトは?」そう問われて、今度は私がひょいと肩を竦めた。「昨夜、当直だったんです。仕事が残ってるから、まっすぐこちらに向かうって」「
Terakhir Diperbarui : 2025-03-13 Baca selengkapnya