51余りの己の失態振りに頭を抱えんばかりにオロオロしたのだが、泥酔して いたことと……世話になっていて酷い言い草だとは思うが、以前より奈羅 から秋波を感じてはいたものの、自分が好意を受け取れるゾーンには少しも 受け入れることのできない相手であり、あとのことも考えて綺羅々は下手に 出るのは得策ではないと瞬時に判断した。 「そっか、ありがと。悪かったね、手間を取らせて。 今日はどうしても外せない用事があるのでこのまま失礼するよ」「えっ、朝ご飯だけでも一緒に食べようよ」「えーと、ごめんよ。ほんとにもう時間がなくて……」 そう言うや否や、綺羅々は大急ぎで部屋を出た。勿論ちゃんと会計窓口で支払いも済ませて。昨夜同じ部屋に泊まったふたりの間に性的な関わりなど当然なかったかの ような言動で最初から対応したのが功を奏したのか、奈羅が一言もその辺の ところを突いてこなかったので、綺羅々は胸を撫で下ろした。綺羅々が唯一気になったのは薔薇のことだった。薔薇とはずっと一緒だったはずなのに一体全体どーしてこうなった? 酔っ払いがうっとおしくなって、自分を置いて先に店を出て行ったのだろうか? 自宅に戻り落ち着いたら、薔薇に連絡してみよう、そんなことを考えながら、 急ぎ足で綺羅々は帰路についた。そして自宅に着くとすぐに薔薇にメッセージを入れた。『薔薇、昨日は君と話せて楽しかった。 明日もしもよければ、また会いたいんだけど、何か予定入ってる?』こんなふうに、昨日どの辺りから自分が薔薇と一緒ではなくなったのか、と いう本当に訊いてみたいことはオクビにも出さなかったのである。それにしても、うれしくて浮かれたからと言って泥酔してしまうとは…… 情けなさ過ぎてクッションに顔を埋めて悶絶する綺羅々だった。
ปรับปรุงล่าสุด : 2025-04-09 อ่านเพิ่มเติม