大場は眉をひそめた。「すみません、大場さん。この企画書はすべて仕上げました」そう言って、浅井は手に持っていた企画書を大場に渡した。大場は一瞥し、それから浅井に言った。「今日の退勤後、すぐに帰らずに残って。今夜の会食に同行してもらう」「私ですか?」浅井は驚いた。自分はただのインターンなのに、どうして会食に呼ばれるの?大場は言った。「前に、あなたはよく会食やパーティーに参加しているって言ってたわよね?経験があるなら、期待してるわ」大場の言葉を聞いた瞬間、浅井は自信を取り戻した。他のことはともかく、冬城と共に数多くの会食に同行してきた経験はある。こんな場には慣れっこだった。大場がオフィスに戻ると、すぐに真奈に電話をかけた。「社長、言われた通り彼女に伝えました」「わかった」「それと、先ほど浅井がスマホを二台持っているように見えました」「二台?」真奈は一瞬疑問に思ったが、二台のスマホを持つ人は珍しくない。淡々と答えた。「それは気にしなくていい。今夜は浅井をレストランに連れて行って」「かしこまりました」真奈は電話を切り、手元の資料をじっと見つめた。答えが出るのは、もうすぐだろう。夕方、浅井は以前冬城から贈られたドレスに着替え、大場と共にレストランへ向かった。レストランに着いたとき、浅井は自信に満ちていた。しかし、個室の扉が開いた瞬間、その笑顔は凍りついた。個室にいたのは、前回彼女が接待したあの連中だった。今、その男たちはいやらしい目つきで彼女を見つめていた。浅井はその場に固まり、動くことができなかった。大場は不思議そうに浅井を見て尋ねた。「どうして入らないの?」「大場さん……この方たちは?」「会社が最近交渉している大事な取引先よ。くれぐれも失礼のないようにね」大場は笑いながら、浅井の腕を引き、そっと囁いた。「大丈夫よ、彼らは皆ちゃんとしたビジネスマン。あなたに何かするわけがないでしょう?」浅井は震えた。何もされない?冗談じゃない。この連中の中に、まともな人間がいるはずがない。彼女は嫌悪感をこらえ、不安を抱えながら大場の隣に座った。しかし、その隣には脂ぎった中年男が座っていた。中年男性はすでに少し酒を飲んでいるようで、彼の目はますます露骨になっている。「
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