美咲は二階で礼服に着替えたから、氷川は一階で彼女を辛抱強く待っていたが、時々時間を確認していた。しばらく、「コツコツ」とハイヒールの音が階段で響くと、その音に目を向けた彼は、ドレスを着て優雅に階段を降りてきた美咲を見た。彼女の美しさに氷川は息を呑んだ。彼女はハイヒールを履いて、恥ずかしそうに一歩一歩彼の方へと近づいてきた。その美しさと照れが氷川の目に入った。それは片肩のドレスで、美咲の片方の鎖骨と肩を美しく見せた。鎖骨の上に装飾品の中には無数の小さな星がきらめいていた。白いクリスタルのリボンが肩に纏いながら、その縁には金色のふさ飾りが飾られていた。ドレスは美咲の体のラインにぴったりとフィットし、腰のあたりで雲のように華やかなひだを作り出し、そこから広がるスカートとなった。星のようなダイヤモンドが散りばめられ、きらきらと輝いていた。氷川はすぐに立ち上がり、まっすぐ彼女に向かって歩いた。彼が一歩一歩近づいてきたのを見て、美咲は緊張してスカートを握りしめた。その緊張した姿が氷川には特別に可愛らしく見えたので、彼は「美咲、本当に美しい」と心から美咲を褒めた。夏の大雨に洗われた青い杏のように、照れた彼女は恥ずかしそうに頭を下げて、目の前の男と目を合わせたことができなかった。氷川は美咲の細い手をしっかりと握りしめ、「さあ、結婚式をぶち壊しに行こう」と、言った。自分の彼氏と妹の結婚式が行われたことは、美咲にずっと悩みを抱かせていた。しかし、氷川の言葉が彼女を癒してくれた。美咲は思わず「ぷっ」と笑ってしまった氷川は美咲のために車のドアを開け、自分は反対側から車に乗り込んだ。そして、彼は山田に「帝国ホテルへ行ってくれ」と指示した。「はい、わかりました」山田は、なぜ帝国ホテルに行くのか理解できなかったが、好奇心を抑えながら、車を走らせてホテルに向かった。帝国ホテル。ここは東京で最も豪華なホテルで、多くの著名な人々がここで結婚式を挙げたことを選んだ。今日、黒崎グループと橋本グループの結婚式もここで行われることだった。結婚式に出席していたのは、東京の上流階級のエリートたちばかりだった。したがって、今日ここに集まったゲストは、皆黒崎グループの顔を立てたために出席したのだった。黒崎グループとの縁組は果たせたものの、新興の橋
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