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第0150話

輝明のせいで、このお金は父に助けを求める必要がありそうだった。

セントラルホテルにて。

綿はフロントで情報を伝え、尋ねた。「この部屋はどこにありますか?」

その時、輝明も外から入ってきた。彼はスマホを持ちながら、低い声で言った。「着いた」

彼がエレベーターに乗ると、綿も一緒に乗り込んだ。

輝明は眉をひそめ、綿を頭の先から足の先までじっくりと見た。

二人はたった一日顔を合わせなかっただけなのに、再会した時はまるで敵のように振る舞った。

「元夫は何の仕事をしているのかしら、ホテルで仕事なんて」綿は皮肉を込めて言った。

輝明は無表情で、無視した。

綿は彼と同じフロアに行くことに気づいた。

輝明をちらっと見た。

彼は黒いスーツを着て、とてもフォーマルな格好だった。エレベーターの暖かな黄色い照明が彼の顔を照らし、柔らかな美しさを滲み出していた。長いまつげが目の下に影を落とし、薄い唇は何とも言えない魅力を持っていた。

綿はそれ以上見つめることができず、視線を戻し、両手を前に組んだ。心臓が少し早く鼓動していた。

輝明は綿をちらっと見て、心の中は穏やかだった。

綿は今日はとても綺麗だった。シンプルなドレスを着て、いつものセクシーな雰囲気とは違い、とてもエレガントで品があった。彼女の髪は簡単にまとめられ、ボディラインはすっきりとしていた。

エレベーターのドアが開くと、綿は急いで外に出た。

輝明も同じ方向に歩いて行った。

綿は輝明を再び見つめた。

輝明は無表情で綿を通り過ぎ、あるスイートルームの前に止まった。

綿も別のスイートルームの前で止まった。二人が同じ部屋に向かっていないとわかり、ほっとした。

二人は同時にドアをノックした。綿のドアが先に開いた。ドアを開けた人物を見て目を見張った。

「あなた、どうして戻ってきたの?!」と彼女は驚いて言った。

輝明はその声を聞き、その方向を見た。男の姿が見え、その男は綿の肩を抱き寄せ、彼女を抱きしめてスイートルームに引き入れた。

輝明は眉をひそめた。綿がホテルで男と会っているのか?

その男は誰なのか?なぜ抱き合っているのか?

輝明は遠くを見つめ、心がざわめいたが、目の前のドアが開いていることに気づかなかった。

「高杉社長?」

輝明は視線を戻し、うなずいた。「横浜へようこそ、ミスター·スミス」

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