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第94話 出て行くべきなのはあなたたち

隣にいた苑里は、美優を見た瞬間に顔が少しこわばった。美優がここにいるということは、もしかして......

さっき見たのは本当だった?

一瞬にして、彼女は拳を強く握りしめ、背を向けて座っている女性をじっと見つめた。

「聞こえなかったの?早く来て、一緒に写真を撮りなさいよ!」瑛美は無視されたことに苛立ちを覚えた。

美優は小さく笑いながら、まるでおかしな光景でも見ているかのような表情を浮かべた。

「あなた、何様なの?なんで彼女があなたの言うことを聞かなきゃいけないわけ?」

瑛美は歯を食いしばり、「あんたには関係ないでしょ!余計な口出しはやめてよ!」

そう言って、動かないモデルに向かって、「ねえ、私は藤原家のお嬢様よ。いくら払えば、私と写真を撮ってくれる?」

たかが一枚の写真。

自分が自慢したいから仕方なく頼んでいるだけで、普段は人が群がって一緒に撮りたがるのに!

鈴楠は苛立ちながら目を上げ、少し静かにしたかったのに、これじゃあ休むこともできない。

「藤原家のお嬢様?でも、主催者が招待した覚えはないんだけど......」彼女は我慢できずに冷たく口を開き、ゆっくりと振り返り、その鋭い視線を瑛美と苑里に向けた。

彼女たちが自分を探しに来たなんて、

笑止千万だ。

瑛美は驚いて目を見開き、信じられないような表情を浮かべた。「あんた......あんたなの?」

さっきあんなに素敵なモデルだと思っていた女性が、まさか鈴楠だとは!

この誰もが入りたがるショーで、鈴楠がトリを務めていたなんて?

しかも、あんなに堂々として美しかった!

「そうよ、何か問題でも?」鈴楠は冷たく微笑み、肩をすくめた。

瑛美は顔を曇らせ、今日は何度も鈴楠に勝てない状況が続いている。ここでまた屈辱を味わうなんて耐えられない。

「ふん、どんなに綺麗な服を着たって、あんたの卑しい身分は隠せないのよ。もう、うんざりだわ、どこに行ってもあんたたちがいるなんて!」

瑛美は鈴楠と一緒に写真を撮りたくない。彼女が一緒にいると、自分の格が落ちると思ったのだ。

美優は呆れて笑った。「は?私たちを卑しいって言ってるの?」

「どうかしら?間違ってる?あんたの背後にいるスポンサーがここに入場券を手に入れたんだろうけど、残念ね、私があんたの正体を暴けば、ここから追い出されるのがオチよ!」

瑛美は自
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