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第426話

かおるは胸の中にある空気がどんどん少なくなるのを感じた。もうすぐ酸欠になりそうだった。

月宮は彼女を放し、少し噛んでから鼻で笑った。「俺をバカにしてるのか?息継ぎもできねえなんて、へたくそが」

かおる:「......」

激しくキスされたせいで、かおるの水のような目の周りは淡い紅に染まっていた。そして、歯を食いしばって言った。「あんた自分のキスがうまいと思ってるの?犬に噛みつかれたみたい!」

曖昧な雰囲気が一気に凍りついた。

月宮は目を細め、乱れた息のかおるをじっと見つめ、次の瞬間再びキスをしてきた。

「今日は絶対お前を降参させる!」

自分のテクニックを疑うなんて、命知らずが!

かおるも負けじと反撃し、二人はお互いに攻め合うようにキスを続けた。それはまるで親密な行為ではなく、まるで喧嘩しているようだった。

洗面所から出ると、ちょうどエレベーターが来たところだった。そのままエレベーターに乗り込んだ。

かおるは彼を軽く押し、「ちょっと待って、電話をかけるから」

突然、里香がまだ個室にいることを思い出した。

月宮はただ彼女を見つめ、かおるも負けずに彼を睨み返した。まるで彼を食べてしまいそうな勢いだ。

かおるが電話を切ると、再び激しいキスが襲ってきた。

二人とも負けん気を出し合い、部屋に入るともう止まらないかのように、まるで火花が散るような激しさでぶつかり合った。

「うっ......痛い!」

どれくらい時間が経ったのか、かおるは突然痛みを訴え、すぐに月宮の顔に一発平手打ちをくらわせた。

「もうちょっと優しくできないわけ?下手くそが!初めてかよ!」

月宮の痛い所を突いてしまったようで、彼女を掴むと、さらに強く揉みしだいた。

かおるの全身が震えが止まらなかった。

「この獣が......」

月宮は身を屈めてかおるにキスし、彼女を噛んだ。「今やお前はその獣と同じベッドにいるんだ」

かおるはまだ気持ち悪そうにして、「こんなに下手くそじゃ、もういい、やめるわよ!」

かおるはベッドから降りようとしたが、あまりにも痛くて顔が少し青ざめていた。

だが、矢が放たれた以上、戻すことなどできるはずがない。

月宮は彼女を強引に引き戻し、キスをしながら言った。「この後、死ぬほど気持ちよくしてやるから、俺にもっとくれと言わせてみろ」

「んっ!」

かおる
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