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第5話

私の言葉に雪絵の表情が固まった。彼女は現在の世論の力がどれほど強大か知っているから、私を怒らせたくなかったのだ。

ただの老婦人が何を知っているだろうと、彼女は思っていたかもしれない。でも、私が暴れたり、騒いだりしたら、彼女にとって得策ではない。

雪絵は不安げに風間を見た。風間の顔色は鉛のように暗かった。「雫音、本当に俺と離婚したいのか?」

「そうよ、離婚したいわ。風間、これだけじゃない。過去数十年間、お前は私を否定し続け、この檻の中に閉じ込めてきた。もうお前の世話をするのは嫌だ!」

風間は激しく怒り、顔を真っ青にして立ち上がった。息子もいつの間にか部屋に入ってきた。「お父さん、お母さんが離婚したいって言うなら、同意してあげればいいよ。後で文句を言われるよりましだ。年を取っても若い気分でいたいんだろ? それなら、彼女を自由にさせてあげたらどうだ?」

息子の言葉には驚いたが、考えてみれば当然のことだった。彼は風間の冷淡さを受け継いでおり、私の努力は当然のものだと考えている。

ならば、私は何も言わないことにした。「子どもたちも大きくなったし、私たちの財産分配についても明確にすべきね。改めて弁護士を呼んで話し合おう」

風間は私の言葉に激怒し、テーブルを叩いて立ち上がった。「外で過ごした数日で、ずいぶんと大胆になったな。離婚したいなら、勝手にすればいい!」

風間は怒りながら出て行ったが、私は特に気にしなかった。離婚なんて、紙一枚のことだ。彼が同意しないのが怖くて、すぐに弁護士を探した。

その間、切り絵のチュートリアルも中断していた。更新がないので、みんなが心配して聞いてきた。

「家の事情で少し変化があったの。解決したら、また全力で更新するわ」

ネット上のコメントでは、私の生活状況について探ろうとする人もいた。

「おばさん、背景を見てると、その小さな部屋はアパートみたいだね。普通、おばさんの年齢になると孫の面倒を見るはずなのに、どうして一人でアパートに住んでいるんだ?」

「おばさんの私生活に口を出すな。法律で決まってるわけじゃないんだから、老人が家族と一緒にいる必要はない!」

「誰もが自由に自分の人生を生きることができるんだよ」

これらのコメントには笑って流し、家のことについては詳しく語らなかった。プライベートなことは公にすることはない。

私の切
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