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第8話

私はトイレから個室に戻った。

両親はまだ浩の両親と楽しそうに話しており、彼らがどんな悪魔か全く知らない。

怒りを必死に抑えながら、私は食事を終えた。

翌日、私は自ら浩に電話をかけた。実家からたくさんの特産品が届いたので、母が少し分けて届けるようにと言っていると伝えると、浩は大喜びで承諾した。

私はスーパーで適当に一番安いものを買って、彼の家に向かった。

彼の父は家におらず、彼の母はこの時間はいつも美容院に行くのが習慣なので、私はこの時間を狙って行った。

今日は特に入念に準備をして、体にフィットするワンピースを着ていた。浩は私を見るなり目を輝かせ、すぐに私を部屋に連れて行こうとした。

「杏、少し部屋でゆっくりしない?話そうよ」

彼の部屋に入ると、彼は私を抱きしめ、熱い息を首筋に吹きかけながら言った。「杏、今日は本当にいい匂いがするね!」

私は吐き気を感じたが、今日は目的があるので、ぐっと我慢して口を開いた。「ちょっとお腹が空いちゃって、何か食べ物を持ってきてくれない?」

「今?」浩は少し不満げだった。

私は無理に笑顔を作り、彼の腕に手を置いて、軽くつまむようにして暗示した。「うん、お腹が空いて何もする気がしないの」

この言葉を聞いて、彼の目が一瞬で輝いた。「じゃあ、今すぐ何か用意してくるね。待ってて!」

「うん、できれば温かいものがいいわ。最近、胃の調子がよくないの」すぐに戻ってこないように、私は急いで付け加え、ベッドに腰を下ろした。

「わかった!」そう言って、浩は早足で部屋を出て行った。

彼が出て行くと、私は一息つき、彼がベッドに置いたままの携帯を手に取った。

さっき、私はわざと携帯が見えないように座ったのだ。彼が携帯のことを思い出さないようにするためだった。

私は急いで彼の携帯を開いた。

浩のパスワードは知っていたが、今まで一度も彼の携帯を見たことがなかったので、彼は安心していたのだろう。

私は簡単にロックを解除し、ホーム画面に表示されているあのSNSアプリのアイコンを見つけた。

心臓が激しく鼓動し始め、私は深呼吸をしてアプリを開いた。

そこにはプロフィールページが表示され、見慣れた名前が目に飛び込んできた瞬間、私は氷の中に落ちたような感覚
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