第3話

再び目を覚ました時、すでに四日間が経っていた。

左手にはギプスが施され、体中の傷はバラバラに処置され、包帯が巻かれていた。

目を開けた瞬間、病床の横にいる斉藤幸夫の沈んだ目が見えた。

彼のそばには、目が赤く腫れた、かわいそうな坂井佳代子が立っていた。

私が目を覚ますと、斉藤幸夫は一歩前に出て、心配の言葉もなく、眉をひそめて問いただした。

「なぜネットで事実をひっくり返すようなことをした？」

私は驚愕した。

「どういう意味？」

斉藤幸夫は手に持った携帯を私に投げつけた。「自分がやったことを知らないのか？」

受け取って見ると、私のSNSアカウントで今朝の未明に投稿された記事があった——

【みなさん、救急センターの電話を冗談で使うのはやめてください】

全文は「私」の口調で、坂井佳代子がわざと黙って救急センターの電話を占有していると怒りをぶつけていた。

言葉遣いは非常に激しかった。

そして、怒ったネットユーザーがこの投稿をトレンド入りさせ、コメント欄は坂井佳代子を罵倒する声で溢れていた。

すでに彼女の情報も暴露され、住所さえネットに公開されていた。

「佳代子はこの二日間、あの人たちに押しかけられ、携帯を見るたびに罵倒のメッセージが届き、毎日泣いて、何度も悪夢にうなされてる。

石田朝子、どうしてそんなに悪毒になってしまったんだ？」

鼻の奥に酸っぱさが込み上げ、涙をこらえながら斉藤幸夫の怒りの目に向き合った。

「信じるか信じないかは別として、私はやってない。この時間、私は昏睡状態だった」

「朝子！」

坂井佳代子が突然泣きながら私に近づいた。「あなたはそんなことを意図的にしたわけじゃないよね？」

そう言って、彼女は携帯を私の手に押し込んだ。

そして、無邪気に私にウインクした。

彼女の目の中の挑発と得意げな表情を、私ははっきりと感じ取った。

心の中で何かを理解した。

私は手に持った携帯を斉藤幸夫に向けて見せた。

「この携帯は坂井佳代子がさっき私に押し付けたものだと言ったら、信じてくれる？」

言葉を発すると、斉藤幸夫の表情は驚愕から怒りに変わった。

「お前の言いたいことは、佳代子がお前の携帯で、彼女にとって何の利益もない記事を投稿したってことか？」

彼は私を指差し、怒りをあらわにした。「石田朝子、言い訳をするならもう少しマシなものにしろ。そんなことをすることで彼女に何の得がある？」

心の中の苦しみが津波のように押し寄せてきた。

やはりそうだった。

坂井佳代子の手段はあまりにも拙劣で、彼女は反論の言葉さえ必要なかった。

斉藤幸夫は何のためらいもなく彼女に信頼を寄せていた。

私の心の中にあるすべての不満が押し寄せてきた。

抑えれば抑えるほど、涙は溢れ出した。

「だから、私があなたの目には、たった一分の信頼すら値しないってこと？」

長い沈黙の後。

斉藤幸夫は冷淡に笑い、恐ろしいほどに知らない声で言った。

「石田朝子、今でもまだ演技をするつもりか？

佳代子は以前、呼吸器感染のため声帯を傷めて話せなかったことを知ってるよね？」

彼は私を一瞥した。「今回の台風の影響で、破れたガラスで足首を切って血が止まらず、痛みに耐えてお前に八回も助けを求めた。

でもお前は助けてくれず、彼女の絶望を想像することもできない......」

「なぜお前は私を信じてくれないのか、こんな風に私を苦しめるのか？」

私は堪えきれずに叫んだ。「私が腎臓を一つ切除して、この命を救ったって知ってるの？」

斉藤幸夫の返答は冷たすぎた。

「佳代子の性格はよく知っている。彼女が嘘をつくことは絶対にない。

お前が今受けてるすべては、自業自得だ。お前は佳代子に贖罪するべきだ」