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第179話

「何?まだやってないのか?」その一言は、全員に冷たい水を浴びせかけたようだった。

皆が騒然となった。

「伊吹さん、この7日間いったい何をしていたのか?」と鈴木美香は怒り、胸が波打っていた。

「7日間、座禅を組んで寝てたよ」伊吹嵐は怠けるように身を伸ばし、「よく眠れたよ」と言った。

皆のあごが床に落ちそうになった。この奴は7日間ずっと寝て過ごしたというのか?

「ひどすぎるよ」と鈴木美香は腹を立てて跳ね、目を丸くして言った。

「これは人を馬鹿にしてるのよ。私たちチームの一生懸命な努力は無駄だ」

発表会のニュースが既に7日間も流れており、このタイミングで、確実に集団全体に大波を引き起こすだろう。

もしかすると、東田智子まで巻き込まれるかもしれない。

最初から伊吹嵐を信じるべきじゃなかったのかもしれないね。期待が大きければ大きいほど、失望も大きい。

「もう構わないわ。勝手にしなさい」

鈴木美香は冷たい顔をして、がっしりした表情で振り返ろうとした。

しかし、「どこに行くの?言ったじゃないか、7日間だって。今日は7日目じゃないか?7日間はまだ過ぎてないよね」と伊吹嵐は突然言った。

「鈴木さん、あなたに薬方を渡すよ。今すぐ材料を探して来てくれ、今日中に薬材が会社に届けば、すぐに新製品を作ることができるよ」

「もしあなたができなかったらどうするのか」と鈴木美香は言葉を聞いて振り返り、眉を寄せて言った。

「なんでも好きなように処理していいよ」と伊吹嵐は淡々と微笑んだ。

この一言で、鈴木美香が胸躍って顔を赤らめて小声で言った。

「これは君が言ったことよ。負けたら引き返す事はダメよ」

もし伊吹嵐が負けたら、彼女は絶対に彼を自分の彼氏にする。

「約束だよ」と伊吹嵐は顔に穏やかな表情を浮かべた。

その時、7番目のチームの皆が再び奮起し言った。

「みんな伊吹さんを信じてるよ。鈴木さん、もう一度彼を信じてください」

伊吹嵐が7番目のチームにいた時間は短かったが、一つまた一つと、超えられない奇跡を打ち立てた。

彼らは、伊吹嵐を心より尊敬している。

「鈴木さん、伊吹さんをよく知っている限りでは、彼が中で7日間寝ていたというのはありえないよ。必ず他に何かがあるはずだ」と中島美紀も勧めた。

「わかったわ」

鈴木美香はすぐに伊吹嵐の薬方を持って、材料を探
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