第181話

「ああ！伊吹さん、自分で歩けるから」

鈴木美香は恐怖で悲鳴を上げましたが、伊吹嵐はそんなことは気にしていなかった。片手で彼女の尻を支え、もう片手で腰を撫でながら、会社の駐車場まで直行した。

彼女の車のドアを開け、鈴木美香を中に放り込みんだ。

「鈴木さん、助手席に座って、僕が運転するよ」

伊吹嵐は運転席に飛び込み、指をステアリングホイルにかけた。

「あんまり粗暴だよ」

鈴木美香は目を丸くし、怒りのあまり口が曲がった。

しかし、心の中ではこっそり喜んでいた。

神様、伊吹さんに抱かれたね。彼とこんなに密接に接触するのは初めてよ。あの感じは、まるで自分の初キスを渡すようなものだ。

ただ、伊吹嵐は今、東田智子の安全のことしか頭になく、相手の反応には全く気づいていなかった。

ただ「シートベルトを締めて」と言った。

瞬く間に、鈴木美香のBMW Miniが恐ろしい速度で疾走し、飛び出した。

空気中には、鈴木美香の失声した悲鳴だけが残った。

「ああああ」

…

伊勢志摩ホテルが

中村家の大きな資産の一つとして、二つのエリアに分かれている。

一つ目のエリアはナイトクラブで、数え切れないほどのスターやインターネットセレブリティ、モデル、金持ち、ありとあらゆる種類の人々が行き来している。

二つ目のエリアは、本当の核心地で、役人の楽しみの場所として特別に用意されている。

さえも、 NPAは彼らを恐れている。

東田智子がいるのは、ここだ。

中村達也は特別に大きな個室を用意し、宴会を準備し、数十本の高価なワインを注文した。

「ふふ、東田社長、あなたが私のところに来たなんて、まさにこのホテルに光栄だよ」

と中村達也はにこやかに言った。

彼と東田智子は以前、海外の留学生だった。

彼は9回も東田智子を追求しようとしましたが、毎回容赦なく拒否された。

これで彼らもやっと知り合いになった。二人は気まずい中でも、商業上の連絡を続けてきた。

「中村さん、今日の件はお手数をおかけします」

と東田智子もいつもと違い、丁寧に言った。

「いいえいいえ、友樹君は私の親友だ。私の顔はきっと立ててくれるだろう」

と中村達也は笑って言った。

「ただ、私が東田社長のために何かしてあげたら、私は何か報酬を得られるかね」

「五千万円をあげます」と東田智子は眉をひそめて言