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第185話

「死んだか」

その瞬間、東田智子と鈴木美香の呼吸はまるで止まったかのようだった。

それから気づいた。中村達也の頭がその場で爆発し、伊吹嵐によって半分に吹き飛ばされていたのだ。

「お前…狂ってるのか!それは中村家の人だぞ。古武家族の一つの中村家だ」

東田智子は怒りで体が震え、顔が青ざめた。

伊吹嵐は淡々とした口調で、「彼は死なねばなりません」と言った。

東田智子に手を出した者は、たとえ一本の毛であっても、命の代償を払わなければならない。

「お前は私を怒らせたいのか」

東田智子は悔しさでため息をついた。

「波は収まらず、この上山重製薬が私たちに対して行動を起こすだけでなく、中村家も間違いなく介入してくるだろう」

しかし、鈴木美香は驚きながら言った。

「智子ちゃん、状況は君が想像しているほど悪くないよ。なぜなら伊吹さんが新しい薬を既に開発しているからだ」

「何?本当に新薬があるのか」と東田智子はたちまち驚いた。

その時、階上からバタバタと音が鳴った。

東田智子は突然鳥肌が立って言った。

「忘れてた。青木さんが私を助けるために、山重友樹に捕まり、今階上で暴行を受けているの。早く助けに行って」

「青木麻央か?彼女もいるのか」と伊吹嵐は驚いた。

せっかく東田智子を助けるために捕まったのだから、彼は彼女を助ける義務があると決めた。

そうして急いで階上に向かった。

その時、青木麻央が寝たルームで、

山重友樹は赤ワインを持ち、監視カメラの全てを注視していた。

「陰山さんの予想通りだ。本当のターゲットが罠にかかった」

「ふふ、伊吹嵐、お前の死期は来た。待ってろよ…あなたを死なせるだけだ」

30秒後、

伊吹嵐が部屋に突入すると、山重友樹は既に姿を消していた。

「おかしいなあ。彼がいないね」伊吹嵐は困惑した。まさか、服を脱ぎかけの状態で、来たと知って逃げたのか?

彼はベッド上での青木麻央に目を向けた。

黒のレースの下着とピンクのパンツがはっきりと見える、均整の取れたボディラインが彼の目の前で完璧に展示されている。

特に豊かなヒップとスレンダーな腰、長い脚には魅力的な黒ストが巻かれ、心臓を騒がせるものだ。

「ちくしょう。山重友樹はとっくに服を脱ぎかけ、私が来るのを知って逃げたのか」

彼はそっと前に進み、青木麻央を抱き上げようとした。
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