第183話

君は来たのはちょうど良かったね。二人たりは私に薬をくれた。地面の瓶が証拠だ。

東田智子は肩の荷が下りる。彼らを睨み付けて言った。

「あなたたち、私が何も準備していないとでも思ったの？」

それは彼女東田智子を３歳の子供だと思いすぎだ。

伊勢志摩ホテルが以前多くの不法行為に関与した疑いがあるため、早くからSATにマークされていたことを彼女は知っていた。

だから注意深く、身に警報器を持っていた。警報が鳴れば、周りのSATのメンバーがすぐに消息を受け取り、駆けつけることができる。

ただ、来るとは思わなかったのは、SATの青木麻央だった。

「よし、東田さん、余計なことは言わなくていい、私が見てわかるよ」

青木麻央は凛とした目付きで、たまたま近くを巡回していたおかげで、間に合うことができた。

「あなたがた二人は、手を重ねて、私と共にSATへ拘留される！」

彼女は前に進み出て、厳しい声で言った。

「青木麻央、何のつもりか？」と中村達也は大声で言った。

「忘れないで、あなたとその知事の父も、私たち中村家の人たちだ！今あなたが私を捕まえるとは、祖先を忘れることだ」

この言葉に、東田智子は身体を震わせ、息をのんだ。

中村将彦と青木麻央も、実は中村家の人たちだとは。

青木麻央は顔色も変わらずに言った。

「私も確かに中村家の人間が、私たちはもう長年中村家と接触がない！私と私の父は今、函館市の役人で、市民のために尽くす」

「たとえあなたが中村家の人でも、照れ捕まえるよ。今あなたがたが抵抗したら、私一本の電話で、いくつかのSATの支隊を呼べて、このホテルを封鎖する」

青木麻央は言って、身に着けていた黒いコートを脱ぎ、東田智子の体にかけ、彼女を支えて言った。

「東田さん、今私があなたを連れ出します」

「青木さん、本当にありがとうございます」東田智子は感謝のあらわれで言った。

「瑣末なこと！行こう！」と青木麻央は威厳たっぷりに胸を叩いて言った。

しかし、次の瞬間、彼女の後頭部は激しい一撃を受け、たちまち血が流れ出た。

青木麻央は顔色がたちまち血の気を失い、

「山重友樹、あなたがまさか…襲撃するとは」と言った。

山重友樹は彼女の背後で手を戻し、にやりと笑った。

「何ができない？単なるSATの隊長だろう？私たち古武家族にとって、あなたたち小さな役人は