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第7話

小池莉菜の計画は、小池健斗をホテルに呼び出し、俺に彼を始末させるというものだった。

俺が動きやすいように、小池莉菜は事前に彼に薬を飲ませるつもりだった。

約束の時間が近づく中、俺は行くべきかどうか迷い続けていた。

それは殺人だぞ!

たかが一時の情事のために、俺は本当に殺人犯になるつもりか?

だが俺が行かなければ、小池莉菜は一人で計画を遂行できるだろうか?それに彼女の手元には俺たちの不倫の証拠がある……この瞬間、俺の心には恐怖と後悔が渦巻いていた。

何度も悩んだ末、結局俺は行くことにした。

だが、約束の時間よりすでに1時間遅れていた。

「莉菜、いるのか?」

部屋のドアの前で、小声で小池莉菜の名前を呼んだが、返事はなかった!

ドアを押し開けると、予約されていた部屋は空っぽで、誰もいなかった!

胸に巨大な恐怖が湧き上がり、俺は急いで家に戻り、何事もなかったかのように振る舞った。

数日後、小池拓哉から電話がかかってきた。

「齋藤さん、小池莉菜の浮気相手のクソ野郎を見つけたよ!結婚式の時に来てみて、俺がそいつをボコボコにするところを見てくれ!」

なんだって?

見つけただと!

俺の手が震え、携帯がパタンと床に落ちた。

「齋藤さん、どうしたんですか?」

俺は携帯を拾い上げ、深呼吸をして答えた。「何でもない。ただちょっと焦っちゃって、携帯を落としただけだよ」

小池拓哉は向こうで笑っていた。「何で焦るんだよ。浮気相手は齋藤さんじゃないんだから……もしかして、齋藤さんもやっちゃったことがあるんですか?」

こんな話題に乗るわけにはいかない。俺はただぎこちなく笑うしかなかった。

小池拓哉はそれ以上追及してこなかった。そしてこう言った。「小池莉菜の部屋にこっそりカメラを仕掛けておいたんだ。浮気相手の後ろ姿を捕らえることもできたけど、まだ誰なのかは分からない」

でも、今度の結婚式で、その男は必ずまた現れると確信しているらしい!

でも、小池莉菜はもう消えているんだぞ!

俺はこのことを小池拓哉に言えず、急いでスタジオを閉めて、一日中家に引きこもっていた。

小池拓哉の結婚式はまるで時限爆弾のようで、俺は本当に怖かった。

しかし、数日が過ぎても何事もなく、平穏が続いていた。

ある日、突然上村から電話がかかってきた。

「齋藤さん、最近うちの莉菜に会
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