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フォトグラファーの秘密
フォトグラファーの秘密
著者: 翔太

第1話

「そのポーズのまま、動かないで!」

カメラの中では、制服を着た女の子が床にアヒル座りをしている。少し仰いだ顔に、前傾した体。そして、恥じらいと誘いが半分ずつ混ざった桃の花のような目で俺を見つめていた。

俺は彼女の横に立ちながら、この角度から彼女が着ているクマ柄の下着が見えた。

それに、目を奪われるほどの胸の谷間も。

カシャッと音を立てて、シャッターを切った。

「いいね、表情もポーズも完璧だ。すごく綺麗だよ」

目の前の女の子は上村美波という名前で、近くの大学街の学生だ。

彼女はカメラの中に映る、完璧な「ネットアイドル風」の自分を見て、目の中に一瞬の驚きがよぎった。

「齋藤さんの指導が良かったからです!」

彼女はうつむきながら、小さな声でそう言った。

俺は思わず笑って、「褒めすぎだよ。俺なんか、美波ちゃんの魅力の三分の一も引き出せてないよ」と言った。

上村の顔はさらに赤くなり、ネガを確認した後、店員に連れられてレジに向かった。

俺はその間、隅っこで一服することにした。

卒業後、俺は家の近くでこの写真スタジオを開いた。スペースは広くないが、料金は安く、サービスも良いおかげで、ずっと商売は順調だ。

最近、ネットアイドル風が流行っているから、スタジオのクローゼットにはいろんな衣装を用意しておいた。制服、チャイナドレス、白タイツや黒タイツまで、なんでも揃っている。

そのおかげで、噂を聞きつけた女子大生たちがますます増えてきた。

タバコを適当に一本吸い終えた俺は、仕事に戻ろうと思った。

だが、カメラを手に取った途端、助手の森田が慌てた様子で駆け寄ってきた。

「ボス、ちょっと問題が起きました」

「何があった?」

「さっきの上村ですよ。レジでずっとグズグズしてて、結局お金を払ってません……ボス、ちょっと見てきてもらえませんか?」

俺が玄関に行くと、上村の泣きそうな声が聞こえてきた。

「ただで撮ったわけじゃないし、少し待ってほしいだけなんです!」

「上村さん、うちは掛け売りは一切受け付けておりません」

「掛け売りじゃないってば!」

上村とスタッフが言い合っていて、彼女の目は真っ赤になっていた。

俺の姿を見た途端、彼女はまるで救い主を見たかのような顔をした。

「齋藤さん!」上村は俺の腕を掴んで、「私……」と言いかけた。

「全部聞いてたよ」彼女をなだめながら言った。「金は今払わなくてもいい。ただし……」

「齋藤さん、ここのルールは分かってます!」

俺が言い終わる前に、上村は急いで俺にカードを押し付けてきた。

彼女の顔は真っ赤になりながら、「今夜、ここで待ってます」と言った。

そう言い終わると、駆け足で去っていった。

俺は手にしたカードを見つめながら心の中で思った。やれやれ、また一人、飛び込んできたか。

このスタジオを開いて3年になるけど、掛け売りを頼む女子大生は少なくない。ただ、世の中にタダ飯なんてない。

分かる奴には分かる話だ。

上村の白くて柔らかそうな肌を思い浮かべると、喉がカラカラになった。

カードをポケットにしまい、スタッフに軽く声をかけて、この件はそれで済ませた。

一日の仕事を終え、店を閉めた後、俺は近くのエビアンホテルへ向かった。

808号室だ。

二回ノックして、やっと上村がのろのろと扉を開けに来た。

彼女はツインテールにして、制服を着ていたが、生地は明らかに店で使っているものより少なく、より挑発的に見えた。

全身の熱を必死に抑えながら、わざと尋ねた。「美波ちゃん、こんな夜遅くに俺を呼んで、何をしたいんだ?」

「もう、齋藤さんったら、わざと聞いてるんでしょ!」

上村は甘えた声を出し、赤い顔のまま俺を部屋に引き入れた。

部屋の中は薄暗い黄色の照明に照らされていて、暖かくも幻想的な雰囲気だった。

上村はまず制服を着たまま俺の前でダンスを踊り、それから誰もが妄想するようなポーズを取り始めた。

写真撮影の時に何度も見たポーズのはずだが、今この瞬間に見ると、まるで全身の血が沸騰するような気分になった。

上村は俺の手を掴み、それを自分の胸に押し当てた。

「齋藤さん、優しくしてね……私、初めてなんだから……」

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