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第3話

一週間後。

約束した時間に、俺はスタジオで彼女たちが来るのを待っていた。

本当は撮影場所で集合するつもりだったが、小池は旦那が車を出すから一緒に乗ればいいと言ってきた。

少し考えたが、断る理由もなかった。

彼女たちが到着した時、俺は一目で小池莉菜だと分かった。

黒いレザーのセットアップを着ていて、タイトスカートが丸みを帯びたヒップを際立たせていた。その黄金比率の長い脚は、一目見ただけで妄想を掻き立てる。

彼女も微笑みながら俺を観察し、数秒間、視線が空中で交差した。

旦那が手を差し出しながら挨拶してきた。「どうも、小池拓哉です」

「どうも、齋藤です」

自己紹介を済ませた後、俺たちは車に乗り込んだ。

彼女が海辺でウェディング写真を撮りたいと言ったので、今回の旅は少し長く、4~5時間ほどかかる。

彼らは有名な海辺のホテルを予約していた。

最初、彼女はおとなしく助手席に座っていて、俺は旦那と適当に世間話をしていた。

だが、すぐに彼女は眠いと言って、頭を傾けて目を閉じた。

「莉菜はいつもこうなんだ。車に乗るとすぐ寝ちゃうんだよ」

小池拓哉は特に気にする様子もなく、彼と莉菜の馴れ初めを話し始めた。

「莉菜は最初、うちの会社のインターンだったんだけど、父が彼女の仕事ぶりを気に入って、ずっと秘書としてそばに置いてたんだ。それで俺が会社を引き継ぎ始めた時も、彼女が環境を教えてくれたんだよ」

小池拓哉の言葉には、小池莉菜への称賛が溢れていた。

まあ、この世には綺麗なだけの花瓶みたいな女も多いが、

美しさと能力を兼ね備えた女こそが、本当に価値のある存在だ。

話を聞きながら、俺は思わず小池莉菜に目を向けた。

彼女は体を少し横に向けていて、上着もぴったりしたものを着ているので、この角度から素晴らしい景色がばっちり見えてしまう……

唾を飲み込んだ。

「あの、小池さん……」

「おっと、まずは俺の話を最後まで聞いてくれよ」

何か言おうとしたが、小池拓哉は話の盛り上がりどころに差し掛かっていて止まる気配がない。隣の小池莉菜にも全く気づいていない。

俺の胸は熱く高鳴った。

まだ注意すべきかどうか迷っていると、小池莉菜が突然小さく声を漏らし、伸びをした。

「莉菜、起きたの?」小池拓哉がやっと話を止め、小声で尋ねた。

「うん、ちょっと寒い」

小池
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