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第7話

「子どもを預けたいときだけ母親を思い出すって?ケーキを食べるときには母親のことなんて考えもしないくせに!あんたを見ると気が滅入るから、さっさと消えな!忙しくて孫の面倒なんか見られないよ!離婚したら母親なんかいらないって言ってたじゃない!今になって都合がいいことを言うんじゃないよ!あんたの母親はゴミ拾い係じゃないんだ!」

親友が私を代弁して、あっという間に息子を追い払ってくれた。

ドアが閉まると、親友は私が心を許していないことを確認するかのようにじっと見つめ、安心した様子で微笑んだ。

確かに私は心を許していなかった。

とはいえ、一瞬だけ胸が痛んだのも事実だった。

しかし、過去の苦しみに比べれば、この程度の痛みは取るに足りない。

私たちはその後も海外旅行の準備を進めていた。

すると数日後、また息子がやってきた。今度は子どもを引き連れていて、困り果てた顔をしていた。

「母さん、もう本当に僕が子どもの世話するなんて無理なんだよ。家がめちゃくちゃなんだ。少しだけ手伝ってくれない?」

そう言うと、息子は孫を私の目の前に置いて、逃げるように去っていった。

私は呆れ果て、彼を追いかけて子どもを返したかったが、孫の大翔が私の足にしがみついてしまった。

ぽっちゃり体型の大翔の腕を振りほどくことができないまま、私はため息をついた。

「おばあちゃん、俺のこと見捨てちゃうの?」

私は冷笑して答えた。

「見捨てるよ。クソババアなんだから。お父さんとお母さん、それにおじいさんの方が素敵でしょ?そっちに行きなさい」

しかし大翔は首を振り、ぽっちゃりした顔がプルプルと震えた。

「やだよ、あっちくさいもん。お婆さんがいい」

私は思わず言葉に詰まった。

親友が近づいてきて、大翔を軽々と引っ張り上げると、彼を脇に放り投げ、私を解放してくれた。

「おじいちゃんの所へ戻りなさいよ。家に帰りなさい」

大翔は言い返した。「おじいちゃんはどこかに行っちゃったし、お金も持っていっちゃったんだ。パパとママは毎日ケンカばかりで、俺、家には帰りたくない。おばあちゃんのご飯が食べたい」

私を指揮するつもり?私は顔を冷たくして無視した。

親友がさらに冷たく言い放った。

「誰も作ってくれないよ。食
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