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第4話

向こうから大翔の泣き声が聞こえたので、疑うことなくすぐに信じた。

心の中は落ち着かない。

思い出は本当にフィルターを通していたのかもしれない。

頭の中では過去の様々な出来事が騒ぎ立て、すべての思い出が溢れ出した。私が怒っていたことが、なぜか納得できるように感じられた。

親友に病院まで送られた。

病室では、痩せ細った夫がベッドに横たわっており、息子は世話をしていた。目は青みがかかり、涙に濡れて憔悴していた。

親友ももう何も言わず、私は息子の肩を叩いた。

「帰りなさい。私が世話するから大丈夫よ」

息子は私を見上げ、まるで支えを見つけたかのように涙をこらえてうなずいた。

親友の家にこんなに長く滞在していたので、私の傷はすでに癒えていた。

一晩ほとんど眠れず、朝起きたらまた用を済ませていた。

目が開くこともままならないほど忙しく、息子が煮込んだスープを持ってきてくれ、珍しく私を気遣ってくれた。

「母さん、父さんに介護士を雇った方がいいよ。母さんは本当に大変だし、僕たちには時間がない。母さんのことが心配だから」

これが、私がほぼ60年間生きてきて、息子に理解されていると感じた初めての瞬間だった。

心の中で何を感じているのか、言葉にできなかった。

酸っぱいような渋いような。

「まあ、私たちはお金に余裕があるけど、できるだけ体を休めた方がいいわ。あなたももう60歳だし、早く休んで。介護士の方が専門的なんだから、そちらに任せるべきよ」

隣のベッドにいるほぼ私と同じ年の人が羨ましそうに言っていた。

彼女の髪は白く、全体的にもっと憔悴して見えた。

息子が私に初めて関心を示したのか、あるいは親友が私の習慣に無意識のうちに変化をもたらしたのか、私は承諾した。

息子が夫に食事を与え終えた後、少し困ったように私を見つめた。

「母さん、まだお金はあるの?父さんに介護士を雇うには、ちょっと足りないかも」

眉をひそめ、警戒しながら私は息子を見つめた。一時的に何と言っていいかわからなかった。

私はお金を持っている。

しかし、確かに多くはなかった。

家の多くの支出は、私の退職金で支えられていて、貯蓄できたのは節約のおかげだった。

お金を出したくないのは、惜しいからではなく、今この瞬間、息子の心を疑わざるを得ないからだった。

私がまだ話していないうちに
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