第5話

ジョンは傅君沂を睨みながら、手を止めずに言った。「姿美は故郷に帰った」

君和はその言葉を聞いてほっとし、さらに尋ねた。「彼女はいつ出発したんだ？」

ジョンは軽く笑って言った。「今から空港に行けば、彼女に会えるかもしれない」

君和はジョンに軽くうなずき、空港に向かおうとしたその時、千奈が少しずつ彼の方に走ってくるのが見えた。彼女の白くて小さな顔には土がついており、白い両腕には擦り傷があり、さらに怪我をしていた足からも少し血がにじんでいた。

君和はまたもや心を痛めた。

私は思わず目をぐるりと回した。まったく、またかまってちゃんの作戦ね。

案の定、君和は千奈に駆け寄り、彼女を抱き上げて優しく言った。「どうして外に出てきたんだ？」

千奈は彼の胸に顔を埋め、悲しげに言った。「お兄ちゃん、私を置いていくんじゃないかって怖くなって…」

君和はしばらく黙り込んだ。

彼は千奈をベッドに寝かせてから、悲しげに言った。「もし彼女が君のようだったらよかったのに」

千奈はすぐにその言葉の意味を察し、「姿美お姉さん、また帰国しちゃったの？前回もあなたを戦場に一人残していったのに、今回もまたこんなことをするなんて。お兄ちゃん、安心して。私は絶対にあなたを一人にしないよ！」

何を馬鹿なことを言っているの？

私は嫌悪感を隠せず顔に浮かべ、思い出にふけった。

ロバート・キャパが言ったように、「もしあなたの写真が十分に良くないのなら、それはあなたが戦場に十分に近づいていないからだ」

私は戦地記者として、できるだけ戦場に近づき、自分の命を捧げてでも戦争の真実を伝えようとしていた。

あの時、私はカメラをしっかりと胸に抱き、砲火を避けながら走り回っていた。

同時に、君和も前線で死神と戦い、兵士たちの命を救っていた。

私たちの目が合った瞬間、私は彼に飛び込み、彼も私を抱きしめ、私たちは一緒に地面に倒れ込んだ。

砲火が私たちのそばで邪悪な花を咲かせた。

私たちはお互いを救った。

見たところ、私たちに大きな怪我はなかった。

しかし、私だけは頭に砲弾の破片が入り込んでいることを知っていた。

その時、私はわざと君和と大喧嘩をした。

その後、私はすぐに戦場を離れる申請をした。

私は帰国して手術を受けた。

なぜなら…

私は生き延びられないかもしれないと怖かった…

彼の手