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第265話

紗希は二人の年配の女性が殴り合い、汚い言葉を投げつけ合うのを見て、笑いすぎて涙が出そうだった。

本当にザマアミロだな。

紗希は寺平を見て言った。

「その200万円、取り戻した方がいいわよ。さもないと、あなたの家族全員が災難に遭うわ。200万円はあなたたちが人身売買をした証拠なんだから」

寺平も驚いていた。

彼はまだ、その子が自分の子ではないと信じられなかった。

この全ては子供ができたせいであり、そうでなければこんなに急いで結婚しようとはしなかっただろう。

寺平は秋月の腕をつかんで言った。

「金はどこだ?金を出せ!」

そのとき、制服を着た人たちが入ってきた。

「寺平はどなたですか?」

紗希は先に口を開いた。

「彼が寺平です。彼女たちはその200万円の不正な金を受け取りました」

秋月の顔色が青ざめた。

「私を逮捕することはできません。私のお腹の子がXX会社の社長の子ですよ」

寺平は悲しそうに大声で言った。

「その会社の社長の孫娘はお前とほぼ同い年だぞ。そんな年寄りとどうやって関係を持てたんだ」

秋月はすぐに態度を変えた。

「じゃあ、どうすればいいの?あなたのような貧乏人と一緒に生活するの?もし私が結婚を急いでなければ、あなたと一緒にいたと思う?あなたは200万円さえ持っていないのに」

秋月の母も続けて言った。

「そうだよ、あなたの家はこんなに貧乏なのに、私の娘にふさわしいと思ってるの?子供はあなたの子じゃないけど、私の娘があなたと一緒にいることを選んだだけであなたは幸運よ。不満を抱かないで」

寺平はこの言葉に打ちのめされたようで、外に向かって飛び降りようとした。

「もう生きていけない、生きていけない」

養母は寺平が飛び降りようとするのを見て、悲鳴を上げながら駆け寄った。

「寺平、落ち着いて。こんな下劣な女のために命を絶つ価値ないわ」

隣で秋月の母は不機嫌そうに言った。

「誰を下劣な女って呼んでるの?」

養母は秋月の顔を平手打ちした。

「この下劣な女、よくも私の息子の気持ちを弄んだわね、この売女......」

秋月の顔はすぐに腫れ上がり、下半身から赤い血が見えた。

流産したようだった。

紗希はこれを見て、急いで言った。

「秋月は妊婦している」

現場は大騒ぎになっていた。

北は彼女の手を引いて言った。

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