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第7話

自分のオフィスに戻ると、私は何気なくタバコに火をつけた。煙が立ち上る中で、5年前の自分がまるで目の前に浮かび上がるようだった。

琴美が私のカッターナイフを振りかざして襲いかかってきた瞬間、私の頭は真っ白になった。

彼女がこんなにも過激な行動に出るとは思ってもいなかった。

ただの口論で、まさかそんなことをするなんて。私は壁際に追い詰められ、ナイフの刃が私の身体に突き刺さる寸前、恐怖で目を閉じた。しかし、痛みは訪れなかった。目を開けると、そのカッターナイフは琴美自身の身体に深く刺さっていた。

彼女は強くナイフを突き立て、鮮血が傷口から絶えず流れ出ていた。地面に倒れ込んだ彼女の顔には、満足げな笑みが浮かんでいた。そして私の耳元には、悪魔のようなささやきが聞こえてきた。

「夕子、あんたは終わりよ」

警察に連行されるとき、私は怜司が焦って琴美の元に駆け寄る姿を見た。そして彼が振り返ったとき、私に向けた憎悪に満ちた視線を忘れることはできない。

琴美は私を殺人未遂で告訴した。だがその罪は成立するはずもなかった。どちらにも決定的な証拠がなかったからだ。

しかし、怜司は私がやったと断言した。彼は私が琴美を何度もトラブルに巻き込んでいたと主張し、口論が絶えず、何度か手を出しかけたことさえあると言った。

彼は私が家柄を傘に着て、琴美を見下していたとも証言した。

法律を学んでいた彼は、こういった裁判がどう裁かれるかを誰よりもよく知っていた。

彼は琴美のために全面的に協力し、最終的に私を牢獄へと追いやったのだ。

そして、私が拘留されている最中、さらに恐ろしい知らせが届いた。

両親が海外から戻る途中で、トラックとの事故に遭い、母は即死。父は集中治療室で4日間生き延び、最期の遺言を残して息を引き取った。

加害者であるトラックの運転手は、車両の故障が原因とされ、たった3年の刑で済まされた。

その時、私の心は完全に壊れ、生きる希望を失った。

その後、裁判所は私に有罪判決を下し、5年の刑を言い渡した。

その5年間、私は非人道的な苦しみを味わった。寝る場所はトイレのすぐ隣で、尿や排泄物がしょっちゅう飛び散った。しかし、身動きもできず、ただ耐えるしかなかった。

水を運び、食事を準備し、時には殴られ、ビンタされることも日常茶飯事だった。

食べ物は奪われ、満足に食事をとる
ロックされた本
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