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第447話

「ハハハ、もう完璧に準備したわ!でも、他の人が女性に興味ないかもしれないから、イケメンの映像も用意しておく?」

「いいね、いいね!私のブックマークには男性必見っていう動画もあるよ!」

「男性必見?ちょっと見せて!」

「ハハハハハ!これ面白いね!いいじゃん!」

......

女性たちは一緒に素材を探しながら、楽しそうに盛り上がっていた。

彼女たちはまだ若すぎる!

奏がどんな男か、まったくわかっていないのだ。

一郎は彼女たちの話を聞いても、心では全く動揺することなく、むしろ笑いそうだった。

彼女たちがどれだけ過激な映像を用意したところで、奏が負けることはないだろう。

裕之は瞳ととわこのそばに歩み寄り、小声で説明した。「一郎兄が俺に場所を教えてくれって言ったんだ。断るわけにもいかないだろ?一郎兄は俺の先輩だからさ......一郎兄は奏兄が来るなんて言わなかったけど、仮に言ってきたとしても、俺は歓迎するよ、絶対にね!」

瞳は冷たく彼を睨んだ。「もう来ちゃってるのに、何言ってるの?今更言い訳してどうするのよ?」

裕之は困ったように笑って言った。「だって、君たちが怒るんじゃないかって心配でさ。特にとわこが......」

とわこは静かに言った。「彼らはあなたの友達だから、招待するのは当然よ。私は気にしてないわ」

裕之は感謝の表情で、「とわこ、君は本当に話が分かるね!でも、本当に俺が呼んだわけじゃないんだよ。彼らは勝手に来たんだ」と言った。

もちろん、裕之は自分が彼女の写真を盗撮して送ったことは言わなかった。

もしそれを言ったら、彼らがここに来たのは間接的に自分のせいだってバレてしまうからだ。

瞳は奏の方を見つめ、目には冷たい光が宿っていた。

あまりにも分かりやすい。

奏が今夜ここに来たのは、とわこを目当てにしているからだ。

もしとわこがここにいなかったら、彼は来なかっただろう。

「二人とも、ソファの方に行って座ったら?そんなに立っていたら疲れるだろう?」裕之が言った。

「とわこは座りたくないって」

さっき瞳はとわこにソファに座るよう促したが、彼女は拒否した。

奏がソファに座っていたため、とわこは彼の視界に入らない場所に立っていたのだ。
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