第357話

彼らが門の前まで歩いて行くと、インターフォンのディスプレイに、六十代から七十代の豪華で品のある女性が映し出されていた。

蓮は素早くその人を見分けた。「あれはクズパパのママだ！」

レラが「ああ、じゃあ、私たちのおばあちゃんね！」と返す。

「おばあちゃんなんて呼ばないで！」蓮は妹を訂正し、そして推測した。「きっと、ママに嫌がらせをしに来たんだ！」

レラは「ふん！ママをいじめさせないわ！追い返さなきゃ！」と言った。

蓮はすぐにドローンを取りに行った。

レラも兄の後をしっかりと追いかけた！

外では、夫人が眉をひそめ、とわこが出てくるのを待っていた。

彼女は昨夜一晩中、よく眠れず、嫌な気持ちでいっぱいだった。だからここに来て、とわこに何らかの説明を求めようと思ったのだ。

突然、頭の上から轟音が響いてきた。

夫人が顔を上げると！

なんと、ドローンが空に現れた！

そのドローンがどうして飛び出してきたのかと疑問に思っていると、突然、ドローンが赤い液体を噴射し始めた！

その赤い液体が彼女の高価な本革コートに飛び散ったとき、彼女は叫び声を上げ、車の方へと走って行った！

とわこはその叫び声に驚いて目を覚ました。

彼女はすぐにベッドから降り、窓辺に歩み寄り、外を一瞥した。

外で何が起きているのかを確認したとき、彼女はすぐに部屋を飛び出した。

ヴィラの外では、夫人が車の中に隠れ、目を真っ赤にして怒りに震えていた。

使用人が彼女のコートを脱がせ、湿ったティッシュで彼女の顔についた赤い液体を拭いていた。

「夫人、どうやら絵の具のようです」と使用人が言った。

常盤夫人は歯を食いしばって、「本当に無茶苦茶だ！以前は彼女が小林はるかを突き倒したなんて信じられなかったけど、今なら信じられるわ！」と憤った。

しばらくして、門が開かれた。

とわこはパジャマ姿で、別荘から足早に出てきた。

彼女は大股で黒い高級車へと向かって歩いていった。

夫人は彼女を見つけると、すぐに使用人の助けを借りて車から降りた。

「三千院とわこ！」夫人はみすぼらしい姿で、声を張り上げた。「あなた、よくもこんなことを！」

夫人の怒声を聞いて、蓮とレラはすぐに飛び出してきた。

さっきとわこは、二人に家の中にいるように言い付けていたのだが、彼らはママがいじめられるのを見ていられなかったのだ