第360話

このネイルサロンは、ある高級ブランド店の中にある。

以前は、このブランドがバッグや服を売っているだけだと思っていたけれど、新たにネイルサービスを始めたことにとわこは少し驚いた。

「とわこ！今年のゴールデンウィークに、私と裕之が結婚することにしたの！」瞳は重大なニュースを伝え、「そして、あなたは私のブライズメイドになるの！あなたの二人の子供たちは、私のフラワーガールよ！」

とわこは苦笑した。「うちの子たちがフラワーガールをやるのはいいけど、ブライズメイドは遠慮させて……他の友達に頼んでね」

彼女は一度結婚して子供も産んでいるので、ブライズメイドをすることができない。

「もう両親や裕之にも話して、みんな賛成してくれたのよ！」瞳は彼女を隣に座らせ、「一緒にお揃いのネイルをしようよ！」

「お揃いのネイルはいいけど、ブライズメイドは本当に無理。瞳、あなたと渡辺裕之が幸せで甘い生活を送れることを願ってるわ。私みたいにはならないようにね」とわこは視線を下に落とした。「今の私は幸せだけど、あなたにはもっと幸せになってほしい」

瞳の笑顔が固まり、感動して言った。「とわこ、あなたの言う通りにするわ。でも、あなたも必ず素敵な男性を見つけて、絶対に幸せになれるって信じてる」

とわこは頷いて、彼女の指を見た。「もうすぐネイルが終わるんじゃない？どれくらいここにいるの？」

「今朝からずっといるの。選んだデザインが多くて時間がかかったけど、仕上がりはとても満足してる」瞳は仕上がったネイルを見て、満足げに言った。

「私はシンプルなカラーでいいわ。今日は子供たちを連れて遊びに来てるから、時間がかかると退屈させちゃうかもしれないし」とわこは隣の二人の子供たちを見た。

「ママ、私も綺麗なネイルをしたい」レラは棚に並んだたくさんのネイルデザインを見つめ、目を輝かせた。

とわこは「今はまだ小さいから、もう少し大きくなったらね」と言った。

「ママ、僕たち退屈しないよ」蓮はレラの手を取り、母に言った。「瞳おばさんと同じネイルにして」

瞳は笑った。「蓮も私のネイルが綺麗だと思うだろう？」

蓮は頷いた。

瞳は「あなたの息子は本当にママ思いね！同じデザインにしなよ、もうすぐ終わるし。もし子供たちが退屈したら、私が連れて行って遊んであげるから」と言った。

とわこが安心してネイルをで