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第211話

夕方。

三千院とわこはいつもより早く家に帰った。

井上美香は蓮を迎えに行った後、レラを抱いて部屋に入った。

蓮はおばあちゃんが妹を抱えていくのを見て、これから何が起こるのかが分かっていた。

「蓮、リュックを渡して」とわこは手を差し出した。

蓮はバッグを両手で彼女に渡した。

彼女はバッグを開け、ノートを取り出した。

彼女はノートを開かずに、直接言った。「マイク叔父さんが教えてくれたのよ。あなた、彼が教えた技術を使って、いろいろ悪いことをしたって。蓮、これは違法だと分かってる?もしバレたら、どんなことになるか分かってる?」

蓮はまばたきもせずに答えた。「僕、まだ四歳だよ。刑務所に連れて行けるわけないじゃん?」

とわこは言葉を失った。

たとえ常盤奏が日本でどれだけ影響力を持っていても、四歳の子供を刑務所に送ることはできないだろう。

でも、そこが問題ではない。

問題は、蓮の価値観が歪み始めていることだった。

「いつまでも四歳じゃない。いつかは大きくなるのよ」とわこは諭すように言った。「だから、あなたのノートはママが預かるわね」

蓮は言った。「マイク叔父さんが新しいノートを送ってくれるよ」

とわこは頭を抱えてため息をついた。「まだ悪いことを続けるつもり?」

蓮は首を振った。「もう常盤奏を怒らせないよ」

常盤奏を怒らせなければ、他の人に見つかることはない。

「今夜は罰として夕食抜きよ」とわこは目に涙を浮かべながら、彼のノートを抱えて寝室へ向かった。

蓮はママが自分を叱らないことは知っていたが、ママの怒った顔を思い浮かべると心が痛んだ。

彼はただママをいじめた人を懲らしめたかっただけだったのに。

夕方七時。

小林はるかはメッセージを受け取った。

「今夜十時、ヒルトン東京、V809室。君のことをもっと知りたい。常盤奏」

常盤奏が彼女をホテルに誘うなんて!?

しかも時間は夜の十時。

この時間と場所では、いやでも意味深に考えてしまう。

皆大人だから、たとえ恋愛経験がなくても、このメッセージの意味は理解できる。

常盤奏はどうして突然彼女に対する態度を変えたのだろう?

考える暇もなく、彼女は喜びで心がいっぱいになった。

今夜はしっ
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