第195話

蓮は少し考えて言った。「レラはママに似てる」

とわこはため息をついた。「蓮、そうね、彼はあなたたちのパパよ。でも彼は子供が苦手なの。だから、できるだけ彼に近づかない方がいい。もし彼にあなたたちが自分の子供だと知られたら、何をされるか分からない」

蓮は冷静に言った。「僕たち、このパパはいらない」

とわこは微笑んだ。「蓮、あなたが帰国してから、たくさん変わったことに気づいてるわ。すごく成長したね」

蓮は肩をすくめた。「ママ、僕は病気じゃないよ。ただあの人たちが幼稚でつまらないだけ」

とわこはうなずいた。「ママも分かってるわ。今はマイクおじさんみたいな賢い人が好きなんだろうけど、大人になれば、賢くない人にも特別な魅力があることに気づくと思うよ。たとえば、善良や純粋なこともとても大切な長所なの」

蓮はしばらく考えて、ママの言葉には同意しなかったが、反論もしなかった。

おそらくもっと大きくなれば、ママの言ったことの意味を理解するだろう。

......

夜七時、小林はるかは家に帰った。

午後に受け取った荷物を開けた。

彼女は常盤奏からの誕生日プレゼントにがっかりした。

このプレゼントはおそらく常盤奏自身が選んだものではないからだ。

店員が届けてくれたもので、おそらく彼が助手に選ばせたのだろう。

実際、その通りだった。

常盤奏は周防に選ばせた。

周防は彼女にシャネルのバッグを選んだ。

小林はるかはそのバッグを見つめながら、とわこの顔を思い浮かべた。

常盤奏はとわこのために彼女を欺いた。

彼は結菜の気分が良くないと言って家にいると説明したが、実際はとわこを家に迎えていたのだ。

彼はとわこのために、彼女とのデートもキャンセルした。

普通の日ならそれほど気にしなかっただろうが、今日は彼女の誕生日だった！

彼女は非常に傷ついていた。

翌日。

三千院グループ。

受付からの電話があり、常盤奏の彼女が来たということだった。

「社長、この女性があなたに会いたいと言っています」秘書はとわこに伝えた。「常盤グループの人に確認したところ、彼の彼女が確かにいるとのことです」

とわこはわずかに目を伏せ、考えた後、手元の仕事を置いた。

一階に降りて行くと、とわこは小林はるかに会った。

小林はるかは素顔で、白いシャツにジーンズを履いていた。

この格好