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第145話

松山瞳は目を丸くし、じっととわこを見つめた。「一体どれだけ稼いだの?」

とわこは微笑みながら答えた。「父の会社を再建するのは私の願いなの。願いってわかる?必ずしも実現するとは限らないけど」

松山瞳はほっと一息つき、「あなたと比べると、私と裕之はまるで無駄な存在みたい。だから、絶対にあなたにすがりつくことにしたわ……どう?私が男の子を紹介してあげようか?私のいとこで、すごくイケメンで若くて、まだ十九歳よ。しかも、すごくお利口さんなのよ…」

とわこは頭を抱えた。「瞳、それはやめてよ」

「年下がダメ?それとも年上がいい?年上もいるわよ!私のジムのトレーナー、四十歳なんだけど、彼の筋肉は見るたびによだれが出るくらい。彼をキープして毎日家で家事や料理してもらうのもいいかも……」

とわこはため息をついた。常盤奏と別れて以来、男性に対して完全に興味を失っていた。

若い子だろうが、頼りがいのある年上だろうが、今は全く気が乗らなかった。

アフタヌーンティーの後、松山瞳と一緒に自動車販売代理店に車を見に行くことにした。

松山瞳はベンツを勧めたが、とわこはレンジローバーを気に入った。

「この車どう?見た目もいいし」とわこはレンジローバーのスポーツモデルを指さして聞いた。

松山瞳は車の値札を指差して、「とわこ、財布さえ問題なければこの車は絶対にいいわよ!千万円の車だもの、悪いわけがない!」

とわこはカードを取り出し、営業者に渡した。「この車にします」

ちょうどこれから蓮を学校に迎えに行く予定だったので、タクシーでは不便だった。

夕方。

とわこはレンジローバーでアンジェラ国際学園に到着した。

先生が蓮を連れてきて、とわこに笑顔で言った。「蓮はとてもいい子で、一緒に過ごすのが楽しかったです」

とわこは驚いて息子を見た。「蓮、先生の言うことは本当?」

蓮はポケットに手を突っ込み、軽く頷いた。

とわこは感動で目が潤んだ。

蓮がアンジェラ国際学園に通うことを受け入れるなんて思いもしなかった!

アンジェラ国際学園は本当に評判通りだった!

年間の学費は数千万円もするが、価値があることを実感した。

次の日。

午前。

とわこは大田部長と会った後、共に約束のカフェへ向かった。

「とわこ、資産証明書は持ってきた?」大田は彼女が手ぶらな様子を見て、少し不安そうに尋
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