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第403話

宴の席に着く前、女性たちは一か所に集まって話をしていた。一方、天皇は叔父や兄弟たちと歓談していた。

清良長公主がさくらの隣に座り、こう切り出した。「あなたと玄武が結婚した時、私は体調を崩していて出席できなかったの。ただ使いを立てて贈り物を送っただけで。姉として、ここでお詫びしておくわ」

さくらはこの長公主の性格を知っていた。人を見下すような方ではない。今も自ら「姉」と名乗っている。さくらは笑顔で答えた。「まあ、お詫びなんて。むしろ、お品物をいただいて感謝しております。お体の具合はいかがですか?」

「まだ少し咳が出るの。数日高熱を出して、あなたたちの結婚式の時は本当に寝たきりだったわ」清良長公主は話しながら、また数回咳き込んだ。侍女が急いで紅茶を差し出し、彼女はそれを数口飲んでようやく落ち着いたが、顔は咳で赤くなっていた。

「どうかお大事に」さくらは言った。

「ありがとう」清良長公主はうなずいた。「あなた、優しい子ね」

山吹長公主は結婚式に出席していた。彼女は横で吹き出すように笑った。「あなた、知らないでしょう?あの夜、玄武がどれほど緊張していたか。新婚の部屋に誰も入れさせなかったのよ。新婦を驚かせたくないって。本当に妻思いで、みんな羨ましがっていたわ」

敏清長公主は彼女を軽く睨んで、からかうように言った。「あら、あなたの夫は優しくしてくれないの?毎朝眉を描いてくれるって、都中の噂になっているじゃない」

山吹姫の顔が赤くなった。「お姉様!」

さくらは笑いながらお茶を飲んだ。この和やかな雰囲気が心地よかった。

彼女は意識して不快な事柄を忘れようとした。宮中での新年、少しでも憂いの表情を見せるのはタブーだった。

幸い、彼女は感情を抑える術を心得ていた。

彼女たちは蘭の夫、梁田孝浩のことを話していた。あの高慢な男が迎えた二人の側室のうち、一人は美香楼の花魁だった。その美しさは言うまでもないが、身請けに3万両もの銀を費やしたという。

もう一人は商家の娘で、文田という姓だった。噂によると、彼女を側室に迎えたのは豊かな持参金が目当てだったらしい。あの3万両の銀は、実は文田家が出したものだという。

一同、驚きの声が上がった。

これら由緒ある家柄では、花街の女性を正式に迎え入れる前例はなかった。気に入ったとしても、せいぜい外に住まいを用意して妾にするくら
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