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第361話

影森玄武は贈り物を積み込みながら、万華宗のことを思い巡らせていた。

さくらがあれほど多くの人々に守られていることは嬉しかったが、同時に師伯たちに伝えたいことがあった。もはやさくらには自分がいるのだから、心配する必要はないということを。

最も重要なのは、今日必ず師伯に一言伝えることだった。これからは月に二通の手紙を師門に送るよう、さくらに促すと。

良いことも悪いことも、必ず師門に知らせるようにして、わざわざ様子を見に来る手間を省かせようと考えていた。

贈り物を三台の馬車に積み終えると、上原さくらが潤とお珠を連れて姿を現した。

さくらは落ち着いた表情で、優雅な紫の着物を纏っていた。その白い肌が一層引き立ち、髪に挿した二輪の牡丹よりも美しく見えた。

昨夜のことを思い出し、玄武の全身の血が一箇所に集中するのを感じた。その瞳は深く、意味深な光を湛えていた。

さくらが顔を上げて玄武を見ると、その眼差しと表情に気づいた。二晩続けて見たその眼差しを、彼女は覚えていた。

この二晩、玄武は初めて母乳を飲んだ赤子のように、欲望を抑えられない状態だった。際限なく求めてくるかのようだった。

さくらは頬を赤らめ、玄武の視線を避けた。そんな視線を向けられると、いつも心臓が高鳴った。

玄武は近づいてさくらの手を取った。「里帰りの贈り物は全部用意したよ。行こうか」

「ええ」さくらは目を伏せて答えた。先ほどまでの落ち着きは一瞬で恥じらいに変わった。既に結婚し、肌を重ねたとはいえ、こうして指を絡ませられると、何とも言えない喜びと照れを感じずにはいられなかった。

潤がお珠に尋ねた。「お珠お姉ちゃん、どうして叔父さんが叔母さんの手を握ると、叔母さんの顔が赤くなるの?」

お珠はその言葉を聞いて、さくらを見上げた。確かに、さくらの顔は桜の花よりも赤かった。

お珠は笑いながら適当に答えた。「それはですね、男の人が女の人の手を握ると、女の人はみんな顔が赤くなるものなんですよ」

潤は不思議そうに聞いた。「じゃあ、僕がお珠の手を握っても、お珠の顔は赤くならないの?」

お珠は吹き出して言った。「まあ、私は厚かましいから、赤くなっても見えないんですよ」

潤は「へえ」と声を上げ、まるで世の中の真理を悟ったかのように目を輝かせた。

馬車に乗り込むと、三台の贈り物を積んだ馬車を引き連れ、華々し
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