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第115話

大和国に潜入したスパイたちは、長年にわたって活動していた。後に、そのスパイ組織は皇太子である兄が直接管理するようになった。

皇兄が事故に遭った後、スパイたちは一族の女性や子供まで皆殺しにした。皇兄の名誉を傷つけただけでなく、情報部隊全体が壊滅する結果となった。

上原洋平は尊敬に値する武将だった。彼の一族の男たちは皆、邪馬台の戦場で命を落とした。そして上原洋平と若い将軍たちの未亡人や遺児、さらには使用人まで殺されたのだ。このような非人道的な行為が平安京の仕業だったとは。

この事件のために、彼らは琴音の村での虐殺さえも公にできず、隠蔽せざるを得なかった。

琴音が発端を作ったのは事実だが、平安京のスパイたちもまた残虐な行為を働いた。唯一の被害者は上原家で、今や上原さくら一人だけが生き残っているという。彼女こそが琴音が先ほど口にした女将軍だった。

さらに琴音は上原さくらに取って代わり、北條守の妻となった。

これらの事件は本来、西京とは無関係のはずだった。しかし、上原洋平一族の全滅、上原さくらの追放、これらに平安京が無関係とは言えなかった。

第三皇子の怒りはここにあった。平安京人は野獣や畜生ではない。二国間の戦争で、兵士同士が戦うのは当然だ。しかし、上原洋平一族を殺戮し、幼い子供まで容赦しなかったことは、平安京皇室の心に永遠に消えない汚点となった。

そして今、琴音が上原さくらを捕らえろと言うとは。これは間違いなく平安京人の心に刃を突き立てるようなものだった。かつて上原洋平一族の老若男女を殺戮したことを思い出させるのだから。

琴音はその平手打ちで茫然とした。すぐに彼女の髪が掴まれ、腹部を強く蹴られた。彼女は数メートル吹き飛ばされ、再び髪を掴まれて引き起こされた。鉄板のような平手打ちが何度も繰り返され、彼女はほとんど気を失いそうだった。

「連れて行け!」第三皇子が命じた。

先鋒の副将が先導し、捕虜たちを連れて薩摩を後にした。

薩摩を離れると、南には砂漠が広がり、前方には連なる山脈が続いていた。しかし、一筋の山脈が切り開かれ、道が作られていた。その道を進むと草原と山脈が接する地帯に出る。この一帯には遊牧民族が住んでおり、ここを過ぎると羅刹国の国境線に達する。

後方の撤退については彼らの関知するところではなかった。草原を通過した後、彼らは山に登った。山頂には
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