憲一は香織を見つけるために、圭介の車に乗り合わせていた。美穂がやって来たのを見て、彼は自分からドアを開けて降りた。「俺は先に行きます」憲一がいなくなった後、美穂は車に入り、圭介に向かい合って座った。美穂は少し不安になり、圭介が人違いをしているかもしれないことに気づいた。しかし、彼女はすでに彼の近くにいることの利点を感じていた。院長はいつも香織を高く評価していたが、圭介のおかげで、突然彼女に第二軍区総合病院のインターンの座を与えられた。彼女はこの男を逃さないと心に決めた。これほどの良い事やチャンスは決して見つけることができない。これは天からの恩恵のようで、必ず掴まなくてはならない。「ちゃんと考えました」そう言って彼女は顔を上げた。圭介は、彼女がこんなに早く決断するとは思っていなかったようで、思わず体が少し動いたように見えたが、実は彼の心は彼女の答えに少し好奇心を抱いていた。「私は何もいりません」結婚を約束させるということは、相当実質的な関係があったに違いない。口を開いたとたんに結婚を要求したり、その他の恩恵を求めたりしたら、彼女が強欲に見えるだろう。彼女は、「ただ普通の友達でいてくだされば構いません」と譲歩によってより多くの利益を得ようとした。圭介はきつく唇をすぼめたが、複雑な感情を持ったまま、落ち着いたトーンで言った。「ちゃんと考えたんだな?」美穂はうなずいた。昨夜は彼女の衝動的な行動だったのかもしれない。彼は何も強要しなかった。「君の決断を尊重する」......病院内にて。香織はラウンジで医学書を読んでいた。仕事の後、彼女は圭介の領域にはあまり戻りたくなかったし、家にはもっと戻りたくなかった。病院で過ごし、本を読んだり勉強したりすることが、彼女にとって心地よかった。トントン。部屋のドアがノックされ、ドアが押し開かれた。憲一は彼女を見ると言った。「どうしてここに隠れているんだ」「隠れてなんかいません」香織は本を閉じてテーブルに置き、立ち上がって歩み寄った。「先輩、どうしてここに来たんですか」「俺を手伝ってくれたんだから、感謝しないとな」憲一は笑った。「行くぞ、美味しい食事をご馳走してやるよ」と言った。彼女は首を横に振った。「いえ、いいです」「どうした?
圭介は目を上げ、眉の先をそっと上げた。怒りはないが圧迫感が漂っていた。「なんだ?」憲一は歯を食いしばり、「忘れてください、あなたの幸せのために私はこのことは飲み込ます」と言った。圭介は彼をちらりと見た。彼の深い目は穏やかで暗かった。「行くぞ」誠は車を発進させ、走り去った。憲一は香織のために何かしてあげなくてはと思い、後ろを振り返り、彼女を探しに行こうとしたとき、彼女が歩き出しているのを見た。「香織」憲一は歩み寄った。「もう戻らないといけないんです」彼女は微笑みながら憲一を見た。憲一は彼女の気分は何とも言えない気持ちであるのを感じ、「香織。お前のお母さんの心臓の件だが、早く適合する心臓が見つかるように、全力を尽くすよ」母親のことを思うと胸が締め付けられる気持ちを必死に隠そうとした。しかし、それとは裏腹に、彼女の声には感情が込もっていた。少し震えた声で、「本当ですか?」と言った。心臓は他の臓器とは違って、待つのはとても難しい。死ぬまで待てない人もいる。「先輩、ありがとうございます」彼女は感謝の気持ちをどう表現していいかわからなかった。彼女の目はわずかに温かさがあった。「俺たちの仲だ。気を遣わなくていい」憲一はすっかり照れてしまった。もし裏で手を回していたのが圭介でなければ、彼女は夢に一歩近づいたことになる。「家に送るよ」香織は慌てて断った。「大丈夫です」彼女が帰るのは矢崎家ではなかったからだ。だから断った。憲一は無理強いしなかった。......彼と別れた後、香織はタクシーで別荘に戻った。圭介がここに足を踏み入れることはないだろうと思うと、彼女の気分はかなりほぐれた。佐藤も彼女がここに住み始めた頃ほど遠慮していない様子であるのを見て、「何か良い事でもあったんですか?嬉しそうに見えますよ」と笑顔で尋ねた。彼女は玄関で頭を下げ、靴を履き変えながら言った。「ここに佐藤さんと二人で住めて嬉しいの。」佐藤さん「…」。「じゃあ、俺は余計な存在か?」この声は…香織が顔を上げると、リビングルームに男が立っていた。彼の雰囲気は冷たく、彼女を嫌悪の念を込めて見下ろしているようだった。金融雑誌やテレビで彼を見かけなければ、この男が自分の「夫」だとは気づかなかっただろう。まさか彼が現れるとは思
「矢崎さんですか?私は水原会長の助手です。水原会長がお呼びですので、一緒に来てください」誠を見た香織は一瞬動揺したが、すぐに目を伏せ、それを隠した。この前、彼女が憲一のために誰かの怪我を治療しに行ったとき、ドアを開けたのはこの男だった。彼は圭介の助手だった?では、あの怪我人は圭介だったのか?「矢崎さん、こちらへ」誠は彼女が動かないのを見て、口調を重くして再度声かけた。香織は気持ちを整え、こう言った。「まだ仕事がありますので」それは明らかに拒否の意味の返事だった。彼女はその男に会うつもりはなかった。「矢崎さん、自分の現状と現在の身分をよく考えてください。あなたは水原会長を怒らせたんです。仕事を失うことは小さなことです。恐れるべきは医師としてのキャリア全体が台無しになることではないですか」これは明らかに脅しだった。香織は手を強く握りしめた。父親は手術代を払っただけで、母親の治療費も介護費も、すべて香織の給料で賄われている。彼女は仕事を失うことも、キャリアを失うこともできない。彼女は誠と一緒に行くことに同意するしかない!「病院に休暇の連絡をしてくるので、待ってください」彼女は上に電話をかけに行き、護身のために手術用メスをバッグにしまった。下に降りる前に少し身だしなみを整えた。すぐに彼女はある娯楽施設に連れて行かれた。香織は今までそのような場所に行ったことがなかった。そこら中に肩を抱き合う男女がいて、隅に立って会話している女たちもいた。「最上階の高級VIPで水原圭介とビジネスの話をしている男は、特にいやらしくて変態な遊びをするって聞いたわ」「それってこの前、女性を殺しかけた奴じゃない?」「そうそう、その人よ」「チッ、今回は誰が不運に見舞われるかわからないわね。とにかく、私たちを選ばなければいいけど。この前のあの女性は命は取り留めたけど、子供を産むことができなくなったそうよ。どんな手段を使ってあんな拷問をしたのかわからない」香織はゾッとした。特に、彼女らの会話の中に圭介の名前を聞いた事に。彼女は少し落ち着かなくなり、手のひらに冷や汗をかいていた。もうすぐエレベーターが止まる。誠は彼女が顔が青白くなっているのを見て、優しく心添えした。「あなたは水原さんと結婚した経緯をよく知っているで
彼はあの卑しい男に香織の身を任せたのではなかったのか?なぜ彼はまだ現れたのか?彼女を嘲笑するためか?ハハハ!「圭介?」彼女は体に殺気をまとった男を指差した。酒を飲んでいたせいか、肝が据わっており、今は恐怖という言葉すら知らなかった。「この野郎!」圭介の顔は一瞬にして最悪に暗くなった!誠と佐藤は共に頭を下げ、息をする勇気もなかった。彼女は体が揺れながらも中に入って来て、圭介のネクタイをつかんで自分の方に引っ張った。「あんた、私があんたとの結婚を心から熱望してたとでも思ってる?自分がそんなにすごい人間だと思ってるの?」部屋に漂うお酒の匂いに、圭介は絶えず眉をしかめ、目の奥には怒りがこもっているように見えた。彼は軽快に彼女の手首を握りしめた。「お前、狂ってしまったようだな」彼女にどうしたらあんな男についていく勇気があるのだろう?彼はこの女を苦しめて、思い知らせてやりたかったが、彼女がロバのように頑固で手放さないことを誰も知るものはいなかった。彼女が口を和らげることはなかった。香織が田中について行った時、彼は後悔した。この女はされど彼の名目上の妻であるのに、汚れてしまった。彼はそれに心底嫌気がさした。「狂っているのはあなたよ」香織の両手は不安定で、お酒の力を使って思うがままに彼を引っ叩いた。あの男に卑しい復讐をさせたことへの復讐だ!圭介の顔はすっかり冷たくなり、彼女の手首を取り、二階へ引きずり上げた。香織は離れようとした。「放して、私を放して…」バン!寝室のドアが蹴破られ、圭介が彼女を押し込んだ。香織は足が立たず床に倒れ、膝を打ち、「あぁ、あぁ」と膝を手でかばった。この痛みのあえぎ声に、圭介は凍りついた。この声は......。彼の記憶は一瞬にしてあの夜にまで遡った。彼女の声は平沢美穂の声と似ているのか?「圭介!」香織は頭を上げて彼を見た。この男は邪悪な心を持つだけでなく、非常に暴力的だった。彼女の膝は血まみれだった。圭介は彼女の視線を受け、思考が戻ってきた。彼は長い足で歩いてきて、目を細めた。「酔っていないのか?」彼女は酔っていた。しかし、頭はまだ明晰であった。彼女は地面に手をついて立ち上がろうとした。足首に力が入らず、また転んだ。本能的に自分を支えるため
「あいつには会わない」圭介はオフィスのドアを押し開けた。そう言うと、彼は自分の机に向かって歩き出した。「田中さんは、会長に会えるまで今日は帰らないと言っていました」圭介は振り返り、秘書を一目見た。秘書はすぐに頭を下げた。「連れてこい」彼は座り、手を伸ばしてスーツのボタンを開けた。すぐに秘書がコーヒーを運び、田中を連れてきた。田中は恨めしそうな表情を浮かべ、口を開いて質問した。圭介はコーヒーを手に取ると、秘書に出て行くよう告げ、目を上げて田中を見た。「私の怪我が見えますか?」田中は自分の首を指差した。明らかな痣があり、手首にはガーゼが巻かれていた。「もう少しで、手の筋が切れるところでした」圭介の視線は田中の怪我へ向くと、圭介の心には微々たる喜びがあった。圭介は答えを知っている質問をした。「どうしたんだ?」田中は思い出してビクビクした様子でこう言った。「あの女はナイフまで持ってたんですか?彼女の腕は息をのむほど巧みで、病院に行った時に医者に言われました。ちょうど大動脈を切らない絶妙な場所まで切られた、と。美人と楽しむことはできず、もう少しで死ぬところでしたよ。そこで聞きたかったのですが、あの女はどこで見つけたんですか?」圭介は香織が安売りに応じなかったと聞いて、気分がとても良かった。彼は体をゆっくり後に倒し、椅子の背もたれに寄りかかった。そして相変わらず冷たい顔で言った。「彼女を探して何がしたいんだ?」「復讐です」田中はいつそんな損をしただろうか?香織の仕事と人生に対し、彼は理解がなく、本当に知らなかった。「復讐したいなら、自分で見つけろ」田中は黙った。「…」「もういいです。自分で方法を考えます。彼女を見つけ出したら、まず彼女の手をダメにして、まだ私をナイフで刺す勇気があるかどうか見てやりますよ」彼は憎々しげに言った。病院で、香織は診察室から出てくると、言い表せない寒気を感じて震えた。誰かが彼女を呪っているのだろうか?「矢崎先生、平沢先生の送別会が今夜8時、B区の盛ホテルでありますので、忘れずに来てくださいね。」同僚が香織を見つけ、そう言った。香織は白衣のポケットに手を入れ、「うん」という顔をしたが、心の中では全く行きたくなかった。美穂と圭介の関係を思い出したからだ。
誰もが疑問を抱いた!そうだ、なんという偶然だというんだ?二人とも用事がある?美穂も何かがおかしいことに気づいた。さっきは聞き間違えたとしたら、今は?彼女の目は圭介と香織の間を行ったり来たりして、何かを見出そうとした。「矢崎先生、何があったんですか?」彼女は探りを入れて、尋ねた。香織は、美穂に自分が圭介の妻であることをとても伝えたかった。そして、圭介に口を酸っぱくして美穂に説明させたかった。しかし現実では、彼女はその勇気がなかった。この男を刺激するわけにはいかなかった。すでに総合病院に行く機会を失った彼女は、仕事をも失うわけにはいかなかった。彼女はうずらのように首を縮めるしかなかった。「祖父が緊急で用事があるらしくて、どうしても戻らないといけないの。でも水原会長も用事があるなんて、本当に偶然ね、はは」彼女は乾いた笑いをした。彼女は誤魔化して、やり過ごしたかった。しかし、圭介は厄介なことをおこしたがった。「ちょうどいい。私の祖父からも電話があった。途中で降ろしてあげようか?」香織の顔に浮かんでいた笑顔は、すでに持ちこたえることができなくなりかけていた。もし彼女が気持ちを制御することができなかったら、すでにテーブルの茶碗を手に取り、彼の嫌な顔に投げていただろう!「水原会長は本当に冗談が得意ですね。私と会長が同じ道順であるはずがありません。私はお先に失礼します。会長はお一人でどうぞ」そう言うと、彼女は逃げるように去っていった。美穂は少し不安になったが、彼女の目は期待するかのように圭介を見て言った。「矢崎先生をご存知なんですか?」圭介の表情は冷やかで、まるで今話した言葉が自分の言葉ではないかのようだった。「いや、知らない」そう言うと、彼は立ち上がった。美穂は心の中で安堵のため息をついた。今日、彼女がわざわざ圭介をここに呼んだのは、病院の人たちの前で見せびらかすためだった。こうなるとは誰も予想できなかった。しかし、少なくとも圭介が来てくれたのだから、彼女と圭介の関係については誰もが知っているはずだった。「私が送ります」美穂は、圭介と香織が外で接触することを恐れてついていった。結局あの夜は、香織だった。ホテルの外に出て、圭介は入り口を一回りして見たが、香織はいなかった。香織は圭介から離
突然声がしたので、香織は驚いて振り向くと、誤ってある箱に触れてしまい、箱が音を立てて床に落ちてしまった!圭介は彼女を怒りのこもった恐ろしい顔で見つめた!彼女は慌てて説明した。「わ…わざとじゃないの…」彼女の指が箱に触れようとしたとき、手首をつかまれた。その力はとても強く、手の骨を粉々にされそうになった。痛い!痛みで冷や汗をかきながら、彼女の手は今にも折れそうだった。圭介の目は充血しており、中心に集まっていた。そして彼は激怒した様子で言った。「お前の汚れた手を離せ!」香織は不意を突かれ、全身を後ろに倒され、頭を棚の角にぶつけた。ドリルで打たれたような痛みに、彼女は一瞬しびれ、脳が震えて、温かい液体が流れ落ちていくのを感じた。首の後ろに向かって手を伸ばすと、その粘りついたものに触れた。驚くこともない、それは血だった。しかし多くはなかった。彼女は目を上げると、乱れた髪の隙間から、圭介が慎重に箱を拾い上げているのが見えた。この動作だけで、この箱は彼にとってとても大事なものであることがわかった。圭介は、中のものが壊れないように慎重に箱を開け、注意深く全てに目を通し、確認した。幸いなことに、箱に守られていたため、中のものに損傷はなかった。彼は心の中で安堵のため息をついた。しかし、この女に壊されそうになったことを思いだすと、彼はまだ怒りに燃えていた!彼は怒りのあまり彼女を殺したいと思った!彼は冷たい視線で香織を刺し、血に飢えているかのように言った。「香織、お前は生きるのに耐えきれなくでもなったのか!?命が惜しいのか!?」香織は苦労して起き上がった。やっと痺れは治まり、激痛が彼女の神経を刺激した。彼女は震えに耐えながら、立ち上がった。「ごめんなさい…」彼女は、その箱が圭介にとって大切なものだとわかった。「ごめんなさいだと?私がそれを受け入れると思うか?」この女性は恥知らずなだけでなく、大胆極まっている!彼は内から外に発される強く恐ろしい圧力で彼女に近づいた。それは香織を恐怖のあまり震えさせ、後方に縮こまらせた。彼女は壁に寄りかかり、怖がっていた。「圭介、来ないで…」圭介は力強く彼女の顎を掴んだ。香織は骨が外れたような音を感じ、とても痛くて声も出せず、ただ怯えた目で彼を見ていた。この状態の圭介は恐
水原祖父はすでに考えていた。この時、金子も理解したようだった。「私に探している心臓ドナーのことを引き出そうと…」その言葉を言い終わる前に、香織は医療箱を持って出てきた。金子はすぐに口を閉ざした。水原祖父は杖をついてソファから立ち上がると、香織に言った。「私と一緒に来てくれ」そう言うと、水原祖父は書斎に向かって歩き出した。香織は医療箱をテーブルの上に置き、彼の後に続いた。水原祖父は机の前の椅子に座り、顔には悲しみの色が浮かんでいた。「圭介の両親は早くに亡くなり、私が面倒を見て育てた。学校に通っていたころは寮に住み、大学を卒業してからは旧宅を出て行った。会社を受け継ぐと、もっと忙しくなり、ほぼ戻ってこなくなった」水原祖父の声はとても小さかった。圭介の父親は彼の長男であり、老いた者が若者を送り出す苦しみは、何年経っても、苦しみは残るだろう。また、圭介が戻りたがらないのには理由があった。水原祖父はすでに、自分の死後、圭介が次男の家族を対処することができると考えていた。圭介が今まで耐えられたのは、完全にすべて彼のためだった。水原祖父は圭介のそばに女性を置き、彼の気持ちを理解し、彼を感化してもらう必要があった。彼に憎しみを捨てさせるために。祖父はどちらかを取ることなどできなかった。身内同士が殺し合うのを見たくなかったのだ。「おじいさま」香織はどう慰めていいかわからなかった。水原祖父はいつも彼女によくしてくれた。明らかに矢崎豊の貪欲から香織が嫁ぐことになったのだが、水原祖父は彼女を見下したりしなかった。水原祖父は手を上げて、彼女に心配する必要はない、大丈夫だと伝えた。「私は、香織が良い子だと知っているから、嫁がせることに同意したんだ。君の祖父はとても忠実で親切な人だった。君はその彼の孫娘なんだから、きっと彼の面影を継いでいるだろうと思っている。だから圭介の隣にいて、彼を見てやってほしんだ」「おじいさま、彼の側にいる人は、彼を本当に好きな人でないといけないと思います…」これは香織が心の中で言ったことだ。しかし、水原祖父の言葉を聞いたとき、彼女は萎縮してしまい、圭介から離れる口実を見つけようとしていた。この歳になって、見たことのない争い事はあるだろうか?彼女の足元につけ込むことは簡単だ。「君が苦労