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第249話

 ボディーガードも一緒に出た。

 圭介は別荘に戻るのではなく、双を連れて前の香織を閉じ込めた住宅に行った。

 ここを知っている人は少なく、別荘よりも安全だ。

 さらに、24時間警護をつけることで、より安全が確保される。

 双をベッドに寝かせた直後、憲一がやって来た。

 圭介が呼んだのだ。

 彼は今、医者としての仕事を辞めているが、まだ人脈は残っていた。そのため、彼を通じて、双のために最高の信頼できる医者を探し出し、家族の一員のように世話をしてもらうつもりだ。費用は一切惜しまなかった。

 憲一は確かに人脈があり、自分の好きな職業を辞めざるを得なかったが、由美のために母親の言いつけを守り、会社に入ることを選んだ。

 憲一は知っている人を頭の中で思い浮かべ、適任者を見つけた。

 「この件は任せてくれ」と憲一は言った。

 圭介は「なるべく早く」と言った。

 「分かった」と憲一は一瞥して香織に尋ねた。「どうして急に子供に医者を?君も医者なのに、自分の子供の世話をするのは家庭医よりも信頼できるんじゃないか?」

 香織は今の圭介が怒っていることを知っていた。だからこんな行動に出たのだろう。

 とはいえ、彼女は外科を専門としているため、病気の治療に関しては、やはり専門の小児科医が適任だ。

 専門分野には専門家が必要だ。だからこそ、専門に合わせることが大切だ。

 しかしながら、

子供を大切に育てるという点では、やはり実の母親に勝る者はいなかった。

 圭介が医者を探しているのは、子供の健康を考えてのことだ。

 香織は「あなたと由美は今どうなっているの?」と尋ねた。

 憲一は無力そうに言った。「松原家を掌握すれば、母親は彼女との結婚を認める。しかし、そうでなければ…」

 彼は話を途中でやめたが、その意味は明白だった。

 香織はため息をついた。

 彼と由美のことは、まだ順調ではないようだ。

 すべての人が、自分の意志ではどうにもならない状況に陥るのだろうか?

 翌日。

 約束の三日目が訪れた。

 水原爺は会社に姿を現した。

 この数日間、彼は眠れず食べられず、会社の株価が日々下落し、財産が目減りしていく様子を見て焦っていた。

 何日か前に彼は直接取締役会を開いた。

圭介に対し、すべての取締役に対して事の説明を行うよう命じた。彼の説明
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