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第77話

【望むことらだよ。江川宏と一緒に行ったって聞いたけど、どうしたの?また彼にいじめられたの?】

彼女は怒りの顔文字を送った。

私が返事をする前に、音声通話が鳴り響いたので、私はすぐに切った。【大丈夫、車の中だから、帰ってきたら話そう】

途中で、山田時雄は私の気持ちが悪いことを知っていたが、黙っていて、話題を探すことはなかった。

私の思考を放り出すスペースを与えてくれた。

降りる前に、私はシートベルトを外した。「先輩、今日彼が言ったこと、気にしないで」

彼はゆっくりとブレーキを踏み込んで、軽く笑った。「大丈夫、私はとても嬉しいんだよ」

「え?」

私は理解できなかった。

山田時雄は私を見て、からかうように言った。「気づかなかった?今日、私にありがとうと言っていないんだよ」

私は唇を噛んだ。「でも、今日は本当に言わなければならない……」

「お礼を言うように注意しているわけではないよ」

彼は微笑みを浮かべながら私を遮った後、優しく言った。「友達の間では、そんなに丁寧な言葉はいらないよ」

私は淡々と笑った。「だから、今後も助けが必要なら、私を探してね。私は先に上がるわ」

「うん」

彼は簡単に頷いて、私がマンションに入ると、車が去る音が聞こえた。

私は江河崎来依の家に戻り、明かりをつける気もしなかった。かすかな月明かりを頼りに、暗闇の中でシャワーを浴びて、寝る準備をした。

体は疲れきっている感じがしたが、ベッドに横になると、頭は非常に冴えていた。

以前は自分の婚姻が失敗だと思っていただけだった。

今夜を経て、私は不幸だとさえ感じるようになった。

……

意外にも、江河崎来依は2日間も江川宏の名前を私に言わなかった。

言わないし、聞かなかった。

彼女のゴシップ好きな性格に全く合わなかった。

その朝、彼女の体調がかなり良くなったのを見て、私は朝食を食べ終わると会社に行く準備をした。

彼女は突然緊張した表情を浮かべて言った。「南ちゃん、どこに行くの?会社?」

「うん、何かあったら電話して」

「行かないで、もうちょっと一緒にいてくれる?」

「どうしたの?」

何かおかしいと直感した。

普段は人には人の言葉を話して、鬼には鬼の言葉を話す江河崎来依の目が少し迷っていた。「いや、ただ南が惜しいだけ。ディンドンーーー」

彼女のLINEが突
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