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第11話

著者: 緋沢
last update 最終更新日: 2024-10-29 11:40:56
翌日、その新町図書館にやって来た。

私を迎えてくれたのは美しく気品のある司書だった。

この女性の瞳は深い青で、黒い絹糸海藻のような髪が腰に流れ落ちていた。

鼻には金糸のフレームのメガネがかかっていた。

首には紫色のクリスタルのペンダントがついていて、神秘的で美しかった。

私を見ると、彼女は興味深げに口元を動かした。

「本を借りるか?」

私は何も言わず、ただ彼女にその鍵を渡した。

彼女は見て一言だけ言った。

「ついてきて」

彼女について個室に入った。

彼女は休憩室に行き、飲み物を作りながら言った。

「遠山颯斗は本当に死んでもあなたを計っ計算しているわね......」

この言葉を聞いて、私は驚いた。

この人、「彼女は私を知っている?」

一瞬、頭が混乱した。

次の瞬間、彼女の名札を見て、そこには、

「司書 斉藤紗耶香」と書かれていた。

わかった。彼女は、遠山颯斗がずっと言っていた沙耶香だろう。

あるいは、あの深海鮫なのだった!

だが彼女の様子は悪人には見えなかった。

私は眉をひそめて彼女に尋ねた。

「深海鮫って君のこと?この件、いったいどういうことなの?」

「そう、私は深海鮫だ」

斉藤紗耶香は飲み物を私の前に置いた。

ゆっくりと語り始めた。

「予想外のことがなければ、遠山綾音は死んでいないでしょうね?」

私は驚いて彼女を見た。彼女はどうして知っているの?

「恋人呪いは愛人に反撃が及ばず、呪いをかけた人だけに反撃が及ぶからだ。」

「そして遠山颯斗の愛人は遠山綾音じゃなく、私の先輩、さやか沙耶香さんだ」

「私と先輩は名前が同じだが、漢字が違うの」

私は頭が混乱した。

「先輩?」
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