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第11話

翌日、その新町図書館にやって来た。

私を迎えてくれたのは美しく気品のある司書だった。

この女性の瞳は深い青で、黒い絹糸海藻のような髪が腰に流れ落ちていた。

鼻には金糸のフレームのメガネがかかっていた。

首には紫色のクリスタルのペンダントがついていて、神秘的で美しかった。

私を見ると、彼女は興味深げに口元を動かした。

「本を借りるか?」

私は何も言わず、ただ彼女にその鍵を渡した。

彼女は見て一言だけ言った。

「ついてきて」

彼女について個室に入った。

彼女は休憩室に行き、飲み物を作りながら言った。

「遠山颯斗は本当に死んでもあなたを計っ計算しているわね......」

この言葉を聞いて、私は驚いた。

この人、「彼女は私を知っている?」

一瞬、頭が混乱した。

次の瞬間、彼女の名札を見て、そこには、

「司書 斉藤紗耶香」と書かれていた。

わかった。彼女は、遠山颯斗がずっと言っていた沙耶香だろう。

あるいは、あの深海鮫なのだった!

だが彼女の様子は悪人には見えなかった。

私は眉をひそめて彼女に尋ねた。

「深海鮫って君のこと?この件、いったいどういうことなの?」

「そう、私は深海鮫だ」

斉藤紗耶香は飲み物を私の前に置いた。

ゆっくりと語り始めた。

「予想外のことがなければ、遠山綾音は死んでいないでしょうね?」

私は驚いて彼女を見た。彼女はどうして知っているの?

「恋人呪いは愛人に反撃が及ばず、呪いをかけた人だけに反撃が及ぶからだ。」

「そして遠山颯斗の愛人は遠山綾音じゃなく、私の先輩、さやか沙耶香さんだ」

「私と先輩は名前が同じだが、漢字が違うの」

私は頭が混乱した。

「先輩?」
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