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第9話

遠山綾音は何も知らないようで、私に招待状を届けに来た。

ドアを開けると、彼女の輝くような様子だった。

なぜか、私が太ってから、彼女のこの様子を見ると自慢しているように感じた。

かつて彼女も私を見て同じように思っていたのかも?

「美月ちゃん、私の結婚式は来月予定だよ。忘れないでね」

しかし今、これを気にする気持ちがなかった。

私が驚いたのは、なぜ彼女はまだ生きているのか?

鮫さまが言ったことを覚えていた。愛人と呪いをかけた人は皆反呪を受けるはずなのに。

なぜ彼女は大丈夫なの?

私が返事をしないのを見ると、遠山綾音は私が結婚式に行きたくないと思った。

彼女は甘えるように私の腕を取った。

「美月ちゃん、お姉さん、怒らないでよ。前は私が悪かった。ずっと仕事とダイエットに忙しくて、あなたたちと連絡する時間がなかった。でも私のことを恨んではいけないよ。私たちは一生の友達になるって約束したんだから」

私は遠山綾音を見た。彼女の様子は本当に何も知らないようだった。

それが演技だとは思えなかった。

私はうなずいた。

「安心して。行くよ」

「そうだ。お兄ちゃんは?連絡が取れないんだけど、お姉さん、忘れずにお兄ちゃんも連れてきてね」

私は振り向いて手を振り、依然として無感覚にうなずいてドアを閉めた。

彼を連れてくる?

恐らく不可能だろう。

何か真実を指し示す手がかりを見落としているような気がした。

突然遠山颯斗が死ぬ前にずっと本棚の方向を指していたことを思い出した。

そこにきっと何かがあった。

本棚のところに行くと、やはり本棚の一番上の角に、遠山颯斗が自筆で書いた手紙があった。
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