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第408話

 健二:「まず10年前の誘拐事件について話します。ネット上の多くの情報は消されていましたが、技術を使ってニュースや投稿を復元しました。それでも、誘拐事件に関する情報は少なく、人質は大学生で、裕福な家庭の出身だったこと、そして無事に救出されたことしかわかっていません」

健二:「誰が情報を消したのかについてですが、私は人質の家族が人質のことを公にしたくなかったのではないかと考えています。当時の報道でも、メディアは人質の名前を一切出していませんでした」

由佳:「身代金は支払われたの? 最終的に犯人は捕まったの?」

健二:「身代金については不明ですが、犯人は捕まっていません。現在システムには2件の指名手配情報しかなく、これでは不自然です。そして、海斗と一緒にいた人物の身元が判明しました。彼は斎藤陽翔という名前で、海斗と同郷です。しかし、斎藤陽翔は指名手配されていません」

健二:「斎藤陽翔は10年前に海外に移住しましたが、その移住した時期は、由佳さんの父親が亡くなった翌日です。外見の比較からしても、彼が当時見逃された犯人の一人である可能性が高いです」

健二:「斎藤陽翔の詳細な資料を送りますので、確認してください」

由佳:「わかりました。ありがとうございます」

健二からファイルが送られてきた。

由佳が開こうとしたところ、健二がさらに言った。「ただし、斎藤陽翔が指名手配されていない以上、彼と海斗が関係していることを知っていても、それだけでは証明になりません」

この斎藤陽翔は警察に捕捉されていなかった。だからこそ、当時の父の事故が単なる飲酒運転事故として処理されたのだろう。

由佳:「ということは、鍵は誘拐事件にあるのね」

もし斎藤陽翔が犯人の一人であることが証明できれば、彼と海斗の関係も明らかにでき、すべてがつながる。

でも、どうやって斎藤陽翔が当時の犯人の一人だと証明するのか?

健二:「そうです。ただし、この誘拐事件は単純なものではありません。当時、2人の犯人の身元しか判明せず、どちらも国外逃亡しました。由佳さんの父親を死に至らしめた背後に黒幕がいないわけがありません」

しかし、彼らの背後にある勢力を突き止めるためには、人質の身元が重要な鍵となる。

彼らは犯人を逃がし、密航させ、海斗を刑務所に送り、民事賠償を支払わせた。もしその事実が明
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