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第285話

由佳は間違っていた。

歩美のせいではなかった。

おじいちゃんを死なせたのは自分だった!

今になって振り返ってみると、この間の自分の行動を思い出し、どうしても自分を許すことができなかった。

最初から自分は間違っていた。

由佳に対する感情を誤解して、歩美への罪悪感を好意と勘違いして、由佳に離婚を切り出してしまった。

そのため、由佳は妊娠のことを言い出せず、一人で妊娠に戸惑い、不安な中で、妊娠期間中に受けるべき配慮も受けられなかった。

最初に由佳が妊娠した時、もっと気を使っていたら、きっとこの子は今も由佳のお腹の中で元気に成長し、すでに胎動を感じていたかもしれない……

歩美を連れて帰国していなければ、由佳は離婚を望まなかっただろう。

おじいちゃんも、彼のために何度も心を痛めたり、歩美に会いに行くこともなかっただろう。

おじいちゃんは一見、由佳のために動いたように見えるが、実際は彼のためだった。

おじいちゃんは、彼と由佳が離婚すれば、後悔するのは彼だと知っていたのだ。

本当の意味で、おじいちゃんを死なせたのは自分だった!

しかし、彼はまたもおじいちゃんを失望させてしまった。

おじいちゃんが全力で守ろうとしたこの結婚は、結局離婚で終わってしまうのだろう。

手術室の緑のランプが点灯した。

清次はすぐにタバコの火を消して歩み寄った。

階段の入口には、地面にたくさんの吸い殻と灰が落ちていた。

前回と同じ医者だった。彼女は後になってから清次と由佳の身元を知った。

清次の浮気は、すでに周知の事実だった。

確かに、彼女は由佳にベッドで安静にするように指示し、心を安らかに保ち、薬を時間通りに服用するように言ったが、それでもこんなことが起こるとは思ってもみなかった!

また、清次は愛人に心を奪われていて、由佳にはあまり気をかけていないのも見て取れた。おそらく当時、彼が公に弁明したのも、由佳が妊娠していたからだろう。

医者は頭を振ってため息をついた。「子供は助けられなかった。流産しました。患者はまだ意識を失っています。今後、妊娠するのは非常に困難になるでしょう」

医者の言葉はすでに非常に控えめだった。

しかし幸いなことに、彼らにはすでに一人の子供がいた。

もし長男が男の子ならまだしも、女の子なら、資本家たちの性格からして、きっと外で愛人に何人か産
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コメント (1)
goodnovel comment avatar
yas
由佳は、なんだかんだいつもあまり赤ちゃんのことを考えてなかった。食事の時だけ気にしてるぐらいだった…… 妊娠中は普段以上に感情の制御がきかなくなるものだけど、赤ちゃんのことを考えたら、あんな行動できないはずだよ…… まだ親になる準備が出来てなかったんだね 赤ちゃんもそれをわかってる
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