共有

第9話  

警察に通報した後、姉はその夜の監視カメラ映像を手に入れた。

映像はずっと彼女のスマホに保存されていた。そして今、その映像を取り出し、佐藤舟也の目の前に突き付けた。

佐藤舟也はスマホを持つ手が震え出し、ついには立っていられなくなって、その場に崩れ落ちた。顔には不安の色が浮かんでいた。

「どうしてこんなことに……別荘地は安全なはずなのに、どうして……」

彼は顔を上げて、必死に姉の服を掴み、焦った様子で聞いた。

「絹子は今どうしてる?」

姉は彼の手を振り払って、淡々と答えた。

「もうあなたには関係ないわ!」

「彼女は今どこにいる?迎えに行く——」

佐藤舟也は突然立ち上がり、焦りの表情で外に飛び出そうとした。だがその時、会場内が急に騒がしくなった。悲鳴が次々と上がった。

「誰かが倒れた!」

佐藤舟也は私のことを気にかける暇もなく、飛び出していった。なぜなら、倒れたのは田中彩香からだ。
ロックされたチャプター
この本をアプリで読み続ける

関連チャプター

最新チャプター

DMCA.com Protection Status