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第7話

私は以前、兄と相談して、りこを私の後継者に内定していた。

しかし、こんなことが起こってしまった以上、兄の顔を立てて彼女の命を取らず、刑務所送りにしなかっただけでも、私にとっては十分すぎる優しい。

彼女が私の後継者になるなんて、絶対にあり得ない。一銭たりとも私のお金を使わせるものか!絶対に許さない!

「裕子、ありがとう。結局、俺は君に借りすぎているんだな。あの家と中の物は、必ずりこに返させるよ」

私がこれまで渡したものの総額は、数億円にもなるだろう。

それをすべて売れば、借金の返済には十分だろう。ただし、これまでのようにお金の心配をしない日々は、もう二度と訪れない。

そして、ギャンブラーというのは、一度手を染めると、もう二度と止めることができない。私は見届けるつもりだ。彼らが本当に心を入れ替え、もう賭け事をしないのかどうかを。

だが、まさか私のこの行動が、最終的に兄を死の淵に追いやるとは思いもしなかった。

それから半月後、私は兄が入院したと聞いた。

彼がりこに、私の家とその中身を返すように要求したところ、りこは頑として応じず、兄はそれに怒って心臓病を再発させたのだった。

私は介護士に車椅子を押されて、兄の見舞いに向かった。

病室のドアに到着した途端、中から口論する声が聞こえてきた。

「この老いぼれ!なんで私が彼女の後継者になれないの?彼女には子供もいないんだから、私は彼女の一番近い親戚だろう。彼女だっていつかは死ぬんだし、そのお金はどうせ私のものになるんだ。誰が使っても同じじゃないか、なんで私が使っちゃダメなんだよ!」

りこ、このクズが!

やはり、ギャンブラーには希望も持つべきではなかった!

私がまだ生きているうちから私のお金に目をつけている。私が本当に死んだら、あの女は一体どれほど暴走するのだろう!

「りこ、貴様は人間のクズだ!兄のような素晴らしい人が、どうして君のような心の腐った悪人を育ててしまったんだ。金なんて、全部寄付しても、君には一銭たりとも残さない!」

介護士が私を病室の中に押し入れ、私は怒りを込めて叫んだ。

「何よその態度!50歳過ぎて、まるで30代みたいな振る舞いしやがって。そんなに海外で稼いできたって、どうせ男を渡り歩いて稼いだんでしょ?」

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