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第2話

そのひどい足の臭いは耐え難く、私はその場で吐きそうになった。

「やめて、やめて!何をするつもりなの?言ってることは本当よ。こんな風に目上の人に対してするのは間違ってるわ!私は本当にあなたたちのお父さんの妹よ。確認したければ、お父さんに電話して確かめればいいじゃない!」

私はすぐに玄関に向かって走り出したが、他の二人の大男に捕まえられ、靴下を無理やり口に詰められた。

「妹?ふん、そんな年にもなって、他人と兄妹ごっこしてるなんて恥ずかしくないの?30歳も40歳も年上の兄だなんて、よくもまぁ笑わせてくれるわ!」

うっ……! これまでに嗅いだ中で一番気持ち悪い臭いだ。

私は何度も吐きそうになったが、口に詰められた靴下で吐けず、すべてが喉に詰まって、さらに気持ち悪さが増した。

母は離婚して、再婚したのが父で、私を産んだ。

だから私は兄より10歳以上も年下で、母の苗字を名乗っている。

「私は自分の権利を取り戻しに来た。この家と中にあるものはすべて私のものだ。さもなくば、今日はこの家から無事に出られないわよ。署名しなさい!」

りこは譲渡契約書を私の目の前に投げつけた。

私は目の前のこの邪悪な顔をした女性を見つめ、兄が言っていた「りこ」とは到底結びつかないことに驚いた。

私は兄と年末年始に電話で連絡を取り合っていて、彼はいつも「りこはおとなしくて賢い」と言っていたし、一郎が少しやんちゃなだけだと言っていた。

まさか兄が話していたおとなしくて賢いりこが、こんなにも非常識で横暴、法律なんて無視するような人だったとは!

私は元々自分の財産を処理するために帰国した。

海外で苦労している身として、女性には特に共感していて、女性同士助け合うべきだと思っていたから、第一相続者にりこを考えていた。

しかし、私が期待していた相続者がこんなにも私を裏切るとは……

彼女たちが本当に法律を無視できるはずがない!

私は体をねじって抵抗し続けたが、一郎に腕を掴まれてしまった。

「姉さん、彼女の手を見てよ!金とダイヤが貼り付いてるんだぜ」

「月色のハイエンドネイルサロンだ。1人160万だって、私だってまだそんなのしたことないのに、あんたはもう楽しんでるんだな。あの老いぼれがこんなにお金をかけるなんて。

みんな、彼女の爪についてるダイヤと金は、あんたたちへのチップだよ。剥ぎ取れるかどうかは、あんたたち次第だね」

私は恐怖で、飢えた狼のような男たちが目を輝かせて私に近づいてくるのを見て震えた。

私は突然りこを突き飛ばし、逃げようとした。

「このクソ女!私を突き飛ばすなんて!みんな、思いっきり殴ってやれ!問題が起きても私が責任を取るから!」

彼らのこぶしと足が雨のように私に降り注ぎ、まるで巨石が私にぶつかってくるような痛みだった。明らかに肋骨が数本折れたことがわかった。

最後には、彼らは私を縛り、まるでボールのように蹴りまわした。

私の顔の皮膚は庭の石に擦られて、すぐに血だらけになり、皮膚が剥がれた。

さらに石が肉の中に食い込んでいった。

涙が混ざり、まるで傷口に塩を塗り込むような痛みが走り、私はまるで死にかけた狂犬のように地面で暴れ回り、泣き叫んだ。

彼らの楽しげな笑い声が耳に届いた。「億を超える家だ。私の金を奪おうなんて、命があるかどうか見てみろよ」

「姉さん、彼女が動かなくなってる。問題になったら面倒じゃないか?」

私は一瞬希望を見出した。一郎にはまだ良心が残っているのかと。

「どうしてこんな臆病者の弟がいるんだろう!何が怖いって言うの?問題が起きたら老いぼれが何とかしてくれるわよ。私たちは彼の唯一の子供なんだから。いざとなったら彼がおばさんに金で解決するよう頼めばいい」

「お前もあの老いぼれが助けに来てくれると思うな。私たちだけが彼の血を分けた子供なんだ。彼があんたをどれだけ気に入ってたとしても、関係ないのよ。彼の本当の家族は、私と一郎だけなんだから」

私は絶望の中で目を閉じた。彼らは本当に法を無視して何でもできるのか……

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