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第7話

私は母親たちと一緒に再び歯山に戻った。父親は警察署に着くやいなや家に帰りたいと焦ったが、警察に止められた。

警察は再び歯山で捜索することを決め、考古学チームの一員である父親も同行し、古墳を壊さないように手助けすることになった。

母親は意外にも自ら同行を申し出、現地に着くと皆が捜索を始めたが、父親は終始心ここにあらずの様子だった。

私は父親の演技を見て、思わず苦笑した。

再捜索の結果、警察は陽太の学生証を見つけて、母親が駆け寄って父親に平手打ちを浴びせた。

「あなたの息子が私の娘を殺したんだ。狂ってるわ。ずっと時間を引き延ばしていたんだね!」

混乱の中、別の警察官が私の携帯電話を見つけたが、すでに壊れており、修理が必要だった。

警察は両親を再び警察署に連れて行き、皐月と陽太も呼び寄せた。

陽太は怯えて皐月の胸に隠れたが、彼女は冷静だった。

「警官さん、息子の学生証は以前に紛失していて、なぜそこにあったのかわからないんだ。無実の人を逮捕するのはよくないよ。ネットで晒されるのが怖いでしょう?」

母親は鋭い目で皐月の手首を見つめ、手首からブレスレットを奪い取った。そこには『愛』と刻印されていた。

「警官さん、このブレスレットは愛理のもので、今は皐月の手首についている。私の娘は間違いなく彼女たちに殺されたんだ。早く二人を逮捕してください!」

皐月は飛び上がり、

「そんなことないわ。このブレスレットは愛理が去るときにくれたものよ。彼女が私に感謝の気持ちを示しただけよ」

「嘘をつけ!愛理の腕の傷はあなたが熱湯をかけたのが原因だわ!」

母親は驚いたように言った。そう、母親はすべて知ってるのに、それでも私を見捨てたのか。

二人は言い争いを続け、父親は怖がって陽太を庇い、後ろに隠れた。

突然、警察官が車載カメラを持ってきて言った。

「この車はその夜、近所の前に駐車していて、何かを捉えていたはずです」

警察官はカメラの映像を再生し、私は家を出るときにはゴールドのブレスレットをつけていたが、ほどなくして陽太が追いかけてきた。彼の首には学生証がついていた。

約1時間後、陽太が戻ってきて、首から学生証がなくなっていた。

警察官はテーブルを叩き、陽太に怒鳴った。

「陽太、その夜愛理を追って何をした?嘘をついたら警察業務妨害で訴えるぞ」

16歳の陽太は
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