第5話

姑はすぐに口を尖らせて言った。「家ではいつもこうしているじゃない？外では私があなたのかわいい宝物じゃないって言うの？」

その言葉が出た瞬間、周りの人たちはますます敬斗を疑問の目で見つめた。

敬斗は耐えきれなくなり、姑を振り払って私の肩を抱き寄せた。「母さん、今日は蘭音の誕生日を祝うんだから、主役を後ろに置いておくなんてありえない」

「蘭音、早く中に入ろう、席も予約してあるし」

彼の声は大きく、周りの人に自分と姑の関係を明確に伝えていた。

私は敬斗に抱かれて前に進み、姑を通り過ぎるとき、彼女に微笑みを浮かべた。

姑の顔色は瞬時に曇った。

テーブルにはロマンチックな赤いろうそくとステーキが用意されていて、私と敬斗はそれぞれの側に座り、姑は真ん中に座っていた。

敬斗は切ったばかりのステーキを私に渡そうとしたが、私が手を伸ばす前に、姑が一瞬で皿を引き寄せた。

目を細めて敬斗に言った。「オッパ、嘉柔のお腹はもう空いてるのよ」

そう言うと、彼女はすぐに食べ始め、フォークが使いにくいと文句を言いながら、手を使って食べ始めた。食べ方は本当に見苦しかった。

このレストランは高級なところで、来ているのは全て成功した人たちだった。

姑のこんな粗末で醜い姿を見ると、みんな嫌悪感を隠せず、まるで猿を見るようだった。

敬斗は姑の袖を引っ張り、「母さん、ここは外だよ、もう少し品を持とうよ」と言った。

姑はまったく気にせず、敬斗の腕を振りほどいて、皿をきれいに舐めてしまった。

そして頭を上げて、甘えた声で言った。「オッパ、まだまだ食べたい！普段家では5杯も食べるのよ！」

敬斗は少し不満げに言った。「母さん、もう少し我慢して、家に帰ったらまた料理を作るから」

姑は口を尖らせて言った。「いや、そんなのいやだ！お腹が空いているのに、無視するっていうの？」

周りの人たちの視線がどんどん冷たくなる中、敬斗は恥ずかしそうに地面に埋まりたくなっている様子だった。

私はわざと目の前のステーキを持ち上げ、優雅に一口食べた。

「本当においしい、2800円の最高級ステーキだけのことはあるね」

姑はその価格を聞くと、瞬時に目を見開き、次の瞬間、敬斗の腕を引っ張りながら言った。「オッパ、私のお腹にいる10人の弟たちが空腹だよ！」

私はもう一口ステーキを口に運び、「私のお腹には敬斗