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第 0037 話

紫は玄関に立ち塞がり、州平をじっと見つめていた。

州平は紫がいるのを見て、足を止め、目を細めて「叔母さん」と呼んだ。

「まだ私が叔母だって覚えてるのね」紫は彼の言葉を聞きたくなくて、彼を叱りつけた。「海咲を一人にして、あの淡路という女に会いに行くつもりでしょ!」

「風の噂を信じるな。そんなこと、今後は言わないでくれ」と州平は眉をひそめ、反論した。

海咲はその言葉を聞いても、苦笑いして口を引き締めるだけだった。

いつだって彼が庇うのは淡路美音だった。

紫は信じていなかった。「あなたのことは知ってるわ。あの女以外に海咲を放って急いで行く理由なんてない。彼女がどうしたの?空が落ちてくるの?死
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