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第 0032 話

「たまにはカスタマイズではなく、生活感のあるものも試してみたいでしょう」

海咲は無表情に口を開いた。

「それに、これは私からのプレゼントですもの。夫もきっと喜んでくれます。ところで、淡路さんのはどちら様へのプレゼントですか?」

美音は正面から歩み寄った。海咲は視線をそらさず、目が合うと、まるで空気中に火花が散っているかのような緊張感が漂った。美音は微かに口角を上げた。

「彼氏よ。世界に10着しかないカスタマイズのコート、一緒に見る?」

余裕な口ぶり。こっちはわざわざカスタマイズのものまで注文したのに、こんなどこでも買える店頭の服とは比べ物にならない。使ったお金も時間も全然違うし、私の勝ちね。

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