第219話 汚れているのは嫌いだ。

　しばらくの沈黙の後、紀美子は耐えきれずに口を開いた。「私の顔に何か付いているの？そんなにじっと見つめて」

　晋太郎は後ろの椅子に腰を下ろし、足を組んで高貴で優雅な姿勢を保った。

　「俺たちのことについて話し合おう」

　紀美子は目をそらしながら答えた。「あなたと話すことなんて何もない」

　「そうか？」晋太郎はゆっくりと問いかけた。「なら、君が言った『後悔する』という言葉、なぜそう言ったのか説明してくれないか？」

　紀美子は弁解した。「その場の勢いで言っただけで、本気じゃなかった」

　晋太郎の端正な顔は静かだった。まるで紀美子が本当のことを言わないだろうと予感していたかのように。

　「説明したくないなら無理にとは言わない。ただ、念江のことについては知りたいだろう？」晋太郎は言った。

　紀美子は彼を見据えた。「何を言おうとしているの？」

　「念江は俺たちの子供だ」

　紀美子は遠回しに言わず、率直に返した。「だからどうだっていうの？」

　「だから、もう念江に君を会わせるつもりはない」晋太郎は一言一言、冷たく言い放った。

　紀美子は驚き、「なぜ私が念江に会うのを阻むの？」と尋ねた。

　「君に念江の母親としての資格があると思うか？」晋太郎は冷笑した。

　紀美子は怒りを抑えずに笑った。「何？子供はあなただけのものなの？彼は私の息子でもあるのよ！

「あなたには彼と私が会うのを阻む権利なんてない！法律上、私には面会権もある！」

「君も念江が君の息子だとわかっているのか？」晋太郎は皮肉を込めて言った。「なのに、その念江が独占すべき母の愛を、存在してはならない二人の不義の子に分け与えたとはな！」

不義の子？！

紀美子は一瞬、息が詰まった。

彼女は子供たちの素性を守るつもりでいたが、二人の子供を不義の子と呼ばれることは絶対に許さなかった！

紀美子は激怒し、立ち上がって晋太郎の顔を平手打ちしようとした。

だが晋太郎はその手首を掴み、冷たい目で感情を見せずに紀美子を見つめた。

「どうした？核心を突いたから、恥ずかしくて怒っているのか？」

「晋太郎！あなたは最低な男だ！」紀美子は怒りを込めて罵った。

「俺が最低だ？」晋太郎の目に薄い怒りが浮かび、彼は紀美子をベッドに引き倒し、

上から覆いかぶさって彼女の柔らかい体を強く握りしめた。「それなら、